大台ヶ原山     2016年6月6日
駐車場〜日出ヶ岳〜正木峠〜正木ヶ原〜尾鷲辻〜牛石ヶ原〜大蛇ー〜シオカラ谷〜駐車場
 大学生時代から憧れていた大台ヶ原山はコケむした針葉樹林帯がひろがり、コメツガ、トウヒ、ウラジロモミなどが混在する植生が豊富な山域のはずだった。ところが近年では森林の衰退が激しく、特に正木峠から正木ヶ原にかけての一帯ではミヤコザサが林床を覆いつくし、トウヒやウラジロモミの立ち枯れだけが目立つ荒涼とした風景が広がっていた。森林衰退の原因については気象の影響、シカの食害、観光客の増加などが考えられているようだ。シカの食害を防ぐため随所に防護柵が設けられていた。
 駐車場から日出ヶ岳を目指す東大台周遊コースを選んで散策した。日出ヶ岳までは針葉樹林帯の中を進むが林床にはミヤコザサが茂り植生は乏しかった。日出ヶ岳付近まで来るとブナやオオイタヤメイゲツなどの広葉樹が出現し、ちょうどシロヤシオが満開を迎えていた。ツクシシャクナゲが残っているかと期待したが、すべて花は萎れていて、写真に収めることはできなかった。
 正木峠から正木ヶ原付近では前述した通りでシロヤシオの花が見られるくらいだった。
 大蛇ーからシオカラ谷付近ではアケボノツツジ、シロヤシオ、コアブラツツジなどのツツジ科の花が美しく咲いていた。コウヤマキ、ゴヨウマツなども確認できた。ここでも残念ながらツクシシャクナゲは落花後だった。
 全体的に期待したほどの植物は認められなかった。しかし一部には珍しい植物も観察できたのが幸いだった。以下に観察できた植物を列挙した。
 ミヤマイワスゲ、ショウジョウスゲ、イトスゲ、ヒメスゲ、アズマスゲ、ニイタカスゲ、カンスゲ、コハリスゲ、キイトスゲ、ケタガネソウ、マイヅルソウ、イワセントウソウ、メギ、ホガエリガヤ、ギンリョウソウ、オオミネテンナンショウ、ホロテンナンショウ、カマツカ、ツクバネソウ、ヒメミヤマスミレタマカラマツツルツゲ、シノブカグマ、ミヤマワラビなど。
 最後に瑠璃色に美しく輝くルリセンチコガネに出会えたのもうれしかった。
アケボノツツジ
シロヤシオ
正木峠付近の枯木
オオミネテンナンショウ
ホロテンナンショウ