霧島山    1991年4月24日、1989年5月7日、1997年5月9-10日
えびの高原、韓国岳、高千穂河原、高千穂峰、新湯温泉、新燃岳など
 霧島山の各所を巡り春の植物を撮影した。4月下旬のえびの高原では早春の薄暗い林縁でキリシマミズキが黄色い花を幾つもつけた花房をぶら下げ、そこだけ明るく輝いていた。標高が高いため春の訪れは遅いが様々な植物が観察できるところなので度々訪れている。この時期はノカイドウの蕾が開き始めたところであった。通常であれば5月の連休のころが満開であろうか。5月10日に訪れたときはすでに満開を過ぎていた。花は真っ白でまばゆいほどであった。蕾は淡紅色だが開くと花弁は白くなるので満開になる前が最も美しい時期である。
 ミヤマキリシマは時期的にまだ早いだろうと思って高千穂河原に向かうと予想に反してすで花盛りを迎えていた。ここから咲き上がり6月上旬には山頂付近まで鮮やかに彩る群生は九州を代表する風景でもある。九重の山々でも見てきたが山一面をピンクに染め上げる群生状況にはただ驚かされるばかりであった。イワカガミ、コイワカンスゲ、ハルリンドウ、キリシマテンナンショウ、フモトスミレ、キリシマミツバツツジ、セッコクなどが同時に観察できた。
 5月上旬に霧島神宮を参拝して新湯温泉から新燃岳に登頂したことがあった。目的は山頂付近に群生するキリシマミツバツツジであったが時期はピッタリだった。ツツジのトンネルをくぐって進む登山道は華やいだ気分にさせてくれた。樹木ではハイノキ、オトコヨウゾメ、ツクシヤブウツギなどが咲いていた。足元ではキリシマテンナンショウ、ナツトウダイ、キンラン、エビネ、ツルキジムシロ、マムシグサなどが見られた。
 霧島山には他にえびの高原から白鳥山へ登頂し池を巡るもの、大浪池に登頂するものなど様々なコースが整備されており個性豊かな火山景観を楽しむことができる。それに加えて独特の植物も多く自生し観察に適したところである。
ミヤマキリシマ
イワカガミ
キリシマミズキ
ノカイドウ