葦毛湿原 1994年〜2005年 |
駐車場〜湿原入口〜湿原回遊路〜湿原出口〜ミカワバイケイソウ群生地〜駐車場 |
愛知県豊橋市にある意毛湿原は東海の尾瀬とも称され湿原植物の宝庫である。 早春2月にはすでにハンノキが花をぶらさげ、3月に入るとショウジョウバカマが咲き出す。下旬にはハルリンドウの青紫の花も彩を添える。タチツボスミレ、マキノスミレ、フモトスミレ、ツボスミレなどのスミレ類が終ると、5月にはミカワバイケイソウのシーズンとなる。高山に咲くコバイケイソウと起源が同じと言われ東海地方のみに自生している。周辺ではカザグルマ、キンラン、オオバウマノスズクサなども咲く。 梅雨に入るころにはトキソウ、カキラン、コバノトンボソウなどのラン類やノハナショウブが見られ、林縁にはハンカイソウ、ササユリ、クロミノニシゴリも咲いている。そろそろモウセンゴケやトウカイコモウセンゴケも小さな花を咲かせるころだ。食虫植物として名高く、腺毛がはえた葉に昆虫が取らえられているのが見つかるかもしれない。 盛夏になると名前のとおりサギソウがサギのように乱舞している姿を確認できる。数が増加しているようだが、栽培品が持ち込まれたことも一因らしい。夏は花が少ないがそれでもミズギク、ミズギボウシ、ミズオトギリ、ノリウツギなどが湿原に点々と見つかる。 秋は湿原がいっそう賑やかになる季節だ。ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、ムラサキミミカキグサは本当に小さくかわいい花たちだ。東海地方の湿原を代表するシラタマホシクサも白い花をつけ群生し湿原を埋め尽くす。遷移のため以前より湿原の範囲が狭くなってきた。そこで繁茂したイヌツゲなどの樹木を伐採し湿原の回復が試みられている。イネ科のヌマガヤ、カヤツリグサ科のミカヅキグサ、ミカワシンジュガヤ、コシンジュガヤ、イヌノハナヒゲなど地味だが花盛りだ。マアザミ、スイラン、サワギキョウ、サワシロギク、サワヒヨドリ、イワショウブなども秋の湿原を華やかに引き立てる花たちだ。以前はミカワシオガマも見られたが最近見かけなくなった。ウメバチソウ、ホソバリンドウ、ヤマラッキョウが咲き出すと冬も近い。 |