恵那、瑞浪 1995年9月15日,1998年9月20日,1994年9月25日 |
恵那市内湿地、瑞浪市内湿地など |
伊勢湾を取り囲む地域に特産したり、分化変形をしている植物の一群を「周伊勢湾要素植物」と定義することがある。また「東海丘陵要素植物」とも呼ばれことがある。岐阜県の美濃地方の東部にはこの要素に含まれる特徴的な植物が数多く分布している。たとえばシデコブシ、ミカワバイケイソウ、ミカワシオガマ、シラタマホシクサ、ハナノキ、ヒトツバタゴなどである。また上記要素に属さないかもしれないが分布上興味深い種としてトウノウネコノメ、キソキバナアキギリなどがある。 今回は東濃地方に点在する湿地に自生する秋の花を取り上げて紹介した。この地方には名もない小規模な湿地が多数存在し9月中下旬には様々な植物が花盛りを迎えていた。 恵那市内ではミカワシオガマの濃紅色の鮮やかな花が湿原を明るく彩っていた。盗掘されて少なくなっているのは残念だった。その他リョウノウアザミ、ネコヤマヒゴタイ、サワギキョウ、ムカゴニンジン、シラタマホシクサ、アカバナ、ヒメシロネ、サワシロギク、イワショウブ、サワヒヨドリ、アブラガヤ、マアザミ、イトイヌノヒゲ、ヤノネグサ、マツムシソウなどが観察できた。また数は少ないがヘビノボラズの赤い実が熟しているのが目に入った。周囲の丘陵ではキキョウ、オオイヌタデ、ヒメジョオン、キツネノマゴ、ゲンノショウコ、ツルマメ、ダンドボロギク、フユノハナワラビなどを見ることができた。 瑞浪市内の湿地ではシラヒゲソウ、ニッポンイヌノヒゲ、ヌメリグサ、カヤツリグサ、チョウジタデ、エダウチスズメノトウガラシなどが見られた。周辺ではヤマジノホトトギス、ヤマハギ、アレチヌスビトハギ、メドハギ、ブタクサ、オオニシキソウ、シュウカイドウ、ツユクサ、ツルボ、マルバルコウ、オオフタバムグラ、アメリカネナシカズラ、キンエノコロ、オオクサキビ、ササクサ、ミズガヤツリなどが咲いていて秋の散策を楽しむことができた。 |