高尾山(スミレの季節)      1995年-1998年
高尾山口駅〜1号路〜4号路〜日影沢〜小仏川沿い〜高尾駅
 高尾山は都市近郊にありながら自然が残された山で、スミレの宝庫として有名である。ケーブルカーで登ってしまってはもったいないので1号路を行くことにする。さっそくタカオスミレが現れる。高尾の名前を冠したスミレで葉の表面が薄黒くなっているのが特徴だ。タチツボスミレ、エイザンスミレ、ツルカノコソウ、ミヤマキケマン、ネコノメソウミミガタテンナンショウなど見ながら登ると金毘羅台に到着する。ここからの眺めは良く遠くまで見渡せる。このあたりでニオイタチツボスミレに出会う。これから先はナガバノスミレサイシンが多くなり、ブナなど落葉樹の新緑がきれいだ。ケーブルカーの山頂駅をすぎると4号路へ入る。するとピンク色のヒナスミレがかわいく咲いている。山頂へは行かずに途中で日影沢へ下る道を選択する。このあたりではタマノカンアオイの花が見つかるはずだ。下りは植林地が多く植物は少ないが、それでもエイザンスミレ、ヒナスミレなどが見られる。
 日影沢まで下ると、その名のとおりヒカゲスミレが多く出現する。タカオスミレも混じって咲いている。3月下旬から4月上旬であればアオイスミレも見られる。小仏川沿いにはニリンソウの群生やキクザキイチゲ、カントウミヤマカタバミ、コチャルメルソウ、ヨゴレネコノメ、ハシリドコロも見つかる。マルバスミレの白い花やヤマルリソウのうす青紫の花も印象的だ。ハナネコノメやアズマイチゲも時期が早ければ確認できる。舗装道路沿いに高尾駅まではヒメスミレ、コスミレ、ノジスミレ、マルバスミレ、レンプクソウなど咲いていて楽しい帰り道である。
 その他高尾山と周辺ではアケボノスミレ、アカネスミレ、ジュウニヒトエ、トウゴクサバノオ、マルバコンロンソウなどが観察できる。そして4月下旬から5月にかけては沢沿いにコミヤマスミレが咲きスミレの季節の最後を締めくくる。
タカオスミレ
コミヤマスミレ
ヒメスミレ
ノジスミレ
ヒカゲスミレ