船通山       2007年4月29日
登山道分岐〜亀石コース〜船通山山頂〜イチイ(往復)〜鳥上滝コース〜登山道分岐
 最近有名になった山の一つに船通山がある。山頂にカタクリが群生することから、花のシーズンには数百人の登山者で賑わうといわれる。ちょうどこの日は町の主催によるカタクリ登山の日でなおさら込み合っていた。山麓の民宿に宿泊し、すぐ前の登山道分岐で亀石コースを選んだ。早速シロバナニシキゴロモ、オオタチツボスミレ、ヤマエンゴサク、オオバタネツケバナ、フウロケマン、オクノカンスゲ、クサソテツなどが目に入った。流れの側にはコチャルメルソウが小さな花をいっぱいつけていた。逆光で花のアップを撮影したが印象的な写真ができた。
 林道歩きが終わり山道に入ると小さな花が足元に咲き乱れているのが分かった。これが今日のお目当ての花のひとつサンインシロカネソウだった。しかも登山道脇の足で踏まれそうなところに群生しているのには驚いた。花を俯いて咲かせるため登山道に寝そべって撮影しなければならないが、これが意外と難しかった。登山者の列が途切れることが無かったからだ。
 渓流沿いの登山道は植生が豊富で、ミヤマカタバミ、ヤマアイ、ハシリドコロ、ボタンネコノメソウ、サンイスミレサイシン、エンレイソウなどで賑やかだった。一般的に見られるイチリンソウやニリンソウが見られないのが不思議な気がした。
 山頂付近にはブナ林が広がり気持ちの良い山道歩きだった。足元には山陰型タチツボスミレ(コタチツボスミレ)が現われた。しばらくすると突然カタクリが出現し山頂を占有していたのにはまた驚かされた。西日本では珍しい規模の群生状況だった。足の踏み場も無いほどの人でごった返す山頂でカタクリを眺めながら皆昼食をとっていた。山頂から鳥取県側に少し下ると天然記念物の大イチイが山の斜面に枝を広げて鎮座しているのも見事だった。
 帰りは鳥上滝コースを選んだが花はやや少なかった。それでもサンインシロカネソウ、シハイスミレ、ショウジョウバカマ、タムシバ、オオカメノキなどが観察できた。渓流の水はあくまで澄み切っておいしかった。山陰の船通山は花で溢れていた。
山頂に広がるカタクリの群生
サンインシロカネソウ