尾瀬            1997年8月1日
(鳩待峠〜至仏山〜)山の鼻〜鳩待峠
 1996年に初めて尾瀬を訪れたときにはミズバショウが見事に開花して十分に楽しむことができた。今度は夏に咲く花を目的に訪れてみようと考えた。一般のツアーを利用したので時間が限られており、ほとんどの観光客は鳩待峠から山の鼻に下って湿原を散策し再び鳩待峠へ戻るコースを選択していた。私はと言えばこれに反して、鳩待峠から至仏山を目指し、山の鼻に下りて鳩待峠へ帰ることにした。ちょうど当日は至仏山から山の鼻へ下る登山道が再開された日だった。そのため至仏山の植物と、あわよくば尾瀬ヶ原の植物を同時に観察できると考えて挑戦したのだった。
 至仏山の植物は別途紹介したので、ここでは下山後の山の鼻から鳩待峠までの植物を明示することにした。
 至仏山から見下ろした尾瀬ヶ原は広大な湿原地帯で奥には燧ヶ岳が聳え立っていた。湿原に降りるとミズギクの変種と言われるオゼミズギク、ワレモコウの高山型と言われるミヤマワレモコウが目に入ってきた。イワショウブ、サワギキョウ、キノコウカ、アブラガヤなども随所に見られた。
 所々にある池塘に浮かんでいるのは黄色い花をつけたオゼコウホネと白色の花をつけたヒツジグサだった。穏やかな水面に浮かぶ葉と花の組み合わせも素晴らしいものだった。
 タチギボウシの群生には魅入られてしまった。群れて咲き誇るギボウシは白い木肌のシラカバ林を背景に従えていっそう引き立って見えた。
 林縁や乾燥したところには大きな黄色い花を広げたトモエソウソバナ、ウドなどの花が目に留まった。
 時間に制約があったため山の鼻付近のみの観察で鳩待峠に向かったが、その途中に小規模な湿地があった。ここにはオゼヌマアザミが咲いていて、コオニユリ、サワギキョウと3種が競演する美しい光景を目撃することができた。
 ナガバノモウセンゴケを確認できなかったが、欲張りすぎてもいけない思い、今後に期待することにした。左の添付写真は別の時期に開花前に撮影したもの。
タチギボウシの群生
オゼミズギク
オゼヌマアザミ
ナガバノモウセンゴケ