入笠山          2004年9月4日
ゴンドラ山頂駅〜入笠湿原(往復)
 夏の終わりに八ヶ岳に登頂し、帰りに入笠山へ立ち寄った。とは言っても、本格的な登山ではなくゴンドラを利用して入笠湿原の植物を観察するのが目的だった。
 ゴンドラを降りると目の前に八ヶ岳の雄姿がくっきりと浮かび上がった。右から左へ、権現山、阿弥陀岳、赤岳、横岳、硫黄岳など昨日辿ったピークを含めて八ヶ岳の峰々を目で追うことができた。周囲には赤トンボが飛び交い秋の澄みきった空気感をいっそう高めていた。
 足元にはクルマバナが見事な花着きで草地に広がっていた。面白い碇のような形の花のハナイカリも咲き始めていた。林内に入ると下草に混じってシダ植物のアスヒカズラやマンネンスギの姿も見え隠れした。
 湿原に達すると思わず佇んでしまった。エゾリンドウの花が最盛期を迎えようとしていたからだ。これは予期せぬ事で非常に幸運だった。何段にも咲くエゾリンドウの青紫色の花は豪華で湿原の中でひときわ輝き群生し、まさに秋本番の風情を漂わせていた。
 林縁に散らばるシラカバ、咲き始めた秋の草花たち(アキノキリンソウ、アキノウナギツカミ、ウメバチソウ、アケボノソウ、マツムシソウ、タチコゴメグサ、ノコンギク、ノハラアザミなど)、終盤を迎えた盛夏の草花たち(サワギキョウ、クサレダマ、ヤマノコギリソウ、アカバナなど)も大切な脇役だった。いや脇役と言っては失礼だが、この時期にはエゾリンドウに主役を奪われてしまうのはやむを得ない気がした。
 林縁ではホソバトリカブトの花が観察できた。昨日八ヶ岳で見てきたトリカブトと同じ種と思われた。トリカブトの仲間は同定が難しいが、まず間違いないであろう。
 入笠山および入笠湿原は初夏のスズランやクリンソウに始まり、盛夏のサワギキョウ、秋のエゾリンドウなど四季にわたって様々な花が咲き乱れ、何時訪れても期待を裏切られることがないお気に入りのスポットである。
入笠山から見た八ヶ岳
入笠湿原に群生するエゾリンドウ
クルマバナ
アケボノソウ