木曽駒ヶ岳        2011年6月26日
桂木場〜ぶどうの泉〜野田場〜横山分岐〜大楢避難小屋(往復)
 学生時代に日帰りで山麓から木曽駒ヶ岳に登ったことがあった。木曽谷側の木曽福島から登山道を登り麦草岳の手前で引き返した覚えがあった。当時の記憶に鮮明に残っているのがオサバグサだった。亜高山帯にまで上らなければ見られない花だが、残念なことに花の時期が過ぎていてパラパラとしか花が残っていなかった。シダのような葉にも興味をそそられた。
 その後最盛期のオサバグサを見てみたいと思いながらもなかなか出かける機会がなかった。2007年6月30日に恵那山に登頂した際にオサバグサと再開したが既に花は終わりかけていた。
 今度こそはと伊那谷側から木曽駒ヶ岳に挑戦した。桂木場から樹林帯の道は薄暗くてスゲの仲間が多く、ミヤマカンスゲ、ホソバカンスゲ、オクノカンスゲ、メアオスゲ、ヒゴクサなどが見られた。標高が高くなるにつれてヒメスゲやニイタカスゲなどが現れ始めた。ミヤマナルコユリ、オククルマムグラ、コフタバラン、ササバギンラン、ベニバナイチヤクソウ、ベニバナノツクバネウツギ、シロバナノヘビイチゴ、イブキヌカボなども見られたが数は少なかった。
 しばらく登ると美しいカラマツ林に入った。サルオガセの類が絡みつき垂れ下がり雰囲気が良かった。カラマツ林帯を過ぎると程なくコメツガ、トウヒ、ウラジロモミなどの針葉樹林帯に入り、マイヅルソウやイワカガミが群生する楽しい登山道となった。ゴゼンタチバナ、ヒロハユキザサも白い花を着けていた。頭上ではサラサドウダンの鮮やかな花が鈴なりで迎えてくれた。
 マイヅルソウの群生に酔いしれていると、待望のオサバグサがに目に飛び込んできた。群落を形成しているところもありかなりの個体数が確認できた。じっくりと撮影して帰途についた。
 一方オサバグサとは別に期待していた花があった。注意深く探したものの見つからなくてがっかりしたのも事実だった。
 今回観察できた植物のなかには名前の判らないシダ植物がいくつかあった。同定できたのはミヤマシケシダシノブカグマなどだった。
オサバグサ
イワカガミの群生
サルオガセの類が垂れ下がるカラマツ林
サラサドウダン