霧ヶ峰         2011年6月26日、2012年6月26日
車山、八島湿原、車山湿原、踊り場湿原など
 この数年間はスゲに興味が沸き、集中して観察してきている。スゲの仲間は水辺、湿地と縁が深く、そこには数多くの種類が生息している。霧ヶ峰といえば代表的な高層湿原で数え切れないほど多くの植物が分布している。何度となく訪れて植物観察してきたが、花が美しい植物たちに目を奪われてしまったためスゲを目的にしたことはなかった。そこでスゲ類に注目して歩き直して見ることにした。
 時期は6月下旬に定めた。ちょうどこの頃はレンゲツツジやコバイケイソウが花盛りでスゲまで撮影してこなかった。乾燥した場所にはヒメスゲがやたらと多く生えていた。ヒエスゲツルカミカワスゲ、ショウジョウスゲ、カワラスゲなどもところどころで出現した。
 湿地帯や川沿いの湿った草地などでは特徴的なスゲの仲間が目白押しだった。まずホソバオゼヌマスゲが池塘周辺に生えていた。オニナルコスゲ、ミタケスゲ、カワズスゲオオアゼスゲ、トマリスゲなども観察できた。しかしこれらのスゲはいずれも遠く離れた池塘周辺の湿地に生えていたため近づくことができなかった。手で触れて確認することはおろか、マクロレンズで小穂を拡大して撮影することも不可能だった。望遠ズームレンズで撮影してパソコンに取り込んで拡大するとやっと種類が判別できる程度だった。もう少し近くで撮影できないものだろか。ミノボロスゲ、ヒカゲハリスゲ、グレーンスゲ、タニガワスゲ、ゴウソなどは近接して撮影できた種だった。
 スゲ以外にはカラフトイバラが珍しかった。自生株はまだ開花前だったので植栽株を撮影した。シロスミレ、サクラスミレ、アヤメ、グンナイフウロ、スズラン、マイヅルソウ、ツマトリソウ、オオヤマフスマ、サンリンソウ、コバイケイソウ、ミヤマニガイチゴ、コメガヤ、コウボウ、ヤマスズメノヒエ、ハルガヤ、カモガヤ、マツヨイセンノウ、クリンソウ、ササバギンラン、シャク、キンポウゲ、ヤマツツジ、レンゲツツジ、カンボク、ヒョウタンボク、ズミ、ヤマドリゼンマイなど数え上げればきりがない程多くの植物が見られた。
 スゲの仲間が加わり植物の世界が広がった。
池塘の広がる八島湿原
ホソバオゼヌマスゲ
カラフトイバラ
レンゲツツジの群生と南アルプス