紀伊半島        2008年3月22日
ユキワリイチゲの巻
 2008年を振り返ってみると春や秋のシーズンには関西地方を中心にして植物観察に赴いたことが判った。まず早春の花をターゲットにして紀伊半島を目指した。三重県と奈良県の県境付近の山にはユキワリイチゲが見られるという情報を頼りに訪問した。
 ユキワリイチゲはイチリンソウやニリンソウと同じ仲間のキンポウゲ科だが分布が限られていて残念ながら愛知県では見られず、関西地方以西にしか分布していない。また早春のこの時期にはあまり遠出をすることが無かったので最盛期のユキワリイチゲを観察したことがなかった。以前に一度山陰地方で見ただけだった。そのときは花が萎れかかって見るに忍びないほどだった。
 さて目的地に到着する前に山間の渓流を覗いてみた。湿った岩場にはタチネコノメソウやチャルメルソウの花がやっと開き始めたところだった。くねくねと曲がりくねった峠道を抜けて山麓の駐車場に到着すると、付近はまだ梅の花が香り、早春の風情が漂っていた。桜の蕾も固く、老木にはヤドリギがたくさん寄生していた。
 道端にはアオイスミレ、フキ、イヌナズナ、ヤマネコノメソウ、ニリンソウ、ハコベ、ホトケノザ、オオイヌノフグリなどが現われるが、まだ開花数は少なかった。しばらくすると土手にユキワリイチゲを発見して思わず歓声を上げた。この先次から次へとユキワリイチゲが登場し、小規模な群生状況も認められた。ほのかに薄紫色を帯びた花は実に秀麗だった。
 薄暗い渓流沿いにはシロバナショウジョウバカマの白い花が点々と輝いていた。付近にはヤマルリソウ、ミヤマカタバミ、タチツボスミレも咲き出していた。林床にはミヤコアオイの面白い形をした蕾が膨らんでいた。その他には尾根道でアセビが開花寸前、湿ったところでシロバナネコノメソウの花がポツポツ見られたくらいだった。
 まずは待望の花との対面を果すことができて一安心といったところだった。
ユキワリイチゲ
ヤマルリソウ