浜松     2010年8月7日、2010年10年16日-B
天竜川
 河原には河原という環境に結びついて生息する植物がいくつか見られる。河原植物ともいうべきこれらの植物としてカワラヨモギ、カワラノギク、カワラサイコカワラニガナ、カワラマツバ、カワラハハコ、カワラナデシコ、ヌマガヤツリ、タコノアシ、ヤナギの仲間などが挙げられる。
 また河原には外来植物が多く進出してきており在来植物の衰退を招いているところもある。外来種のオオキンケイギク、オオフタバムグラ、シナダレスズメガヤなどは各地で繁茂してきている。
 天竜川は長野県の諏訪湖に源を発し、伊那谷を形成し、愛知県を経由して静岡県の遠州灘に注ぐ一級河川で全国9位の長さを誇る。浜松市に入ると河口に近づくにつれて広大な河原が広がっている。
 この河原の植物を観察するために立ち寄ってみたのは2010年の8月と10月だった。8月は時間がなくてわずかな植物しか確認できなかったがコゴメガヤツリ、メリケンガヤツリ、サンカクイ、イグサ、ヤブガラシ、ヒルガオなどが咲いていることがわかった。
 10月にはカヤツリサの仲間が数多く出現して興味深いものだった。まずヌマガヤツリが大きく育ち茶色の果穂を突き上げていた。オニガヤツリ、ホソミキンガヤツリ、コゴメガヤツリ、カヤツリグサ、タマガヤツリ、メリケンガヤツリなども見つかりまさにカヤツリグサの仲間の観察に適していた。
 次に興味を引いたのはタコノアシが見られたことだった。河原の湿地や沼、休耕田などに生えるが絶滅危惧U類に指定されている種だった。タコの足のように広がる花序の様子が面白かった。
 他に見られた植物は以下のとおり。ヤナギタデ、オオイヌタデ、ミゾソバ、キシュウスズメノヒエ、ヒナギキョウ、ホソバツルノゲイトウ、ケアリタソウ、ホソバヒメミソハギ、オオフサモ、アメリカアゼナ、スカシタゴボウ、サヤヌカグサアオゲイトウ、オオクサキビ、アメリカセンダングサ、ヨシ、ススキ、オギなど。
ヌマガヤツリ
タコノアシ
ヒルガオ
サンカクイ
ヤナギタデ