高尾山 1997年5月17日、1996年6月1日 |
高尾山口駅〜6号路〜高尾山頂〜4号路〜日影沢〜小仏川沿い〜高尾駅 |
高尾山は昔から保護され天然林が多く残されていることから植物の種類も豊富である。スミレの宝庫としてで有名だが、それ以外にも様々な植物が観察できる。 高尾山には幾つもの登山コースが設けられており、それぞれ異なった特徴を持っている。今回は5月中旬から6月上旬に見られる6号路および4号路の湿生植物を中心にして紹介する。 清滝駅からの6号路の沢沿いの道にはシャガ、クサノオウ、ヒメジョオン、ハンショウヅル、サワハコベ、ウツギ、マルバウツギなどが現れ、春のスミレ類が盛期を極めた頃とは異なった花やその時期の残花たちが出迎えてくれる。ヤブヘビイチゴは大きな黄色の目立つ花を誇示している。林縁ではオウギカズラの淡紫色の花やサツキヒナノウスツボの変わった形の花に地味ながらも興味をそそられる。 琵琶滝より上部まで来るとまだコミヤマスミレの花が残っている。5月中旬までにはほとんどのスミレが終わりを告げるが、本種は最も花期が遅いスミレの仲間だ。クワガタソウは小さな花を開き始めている。まだ花期ではないがこの辺りにはツルギキョウの株も認められる。 山頂付近ではフタリシズカがあちこちで花盛りで見頃だ。4号路の湿ったところではイナモリソウの淡紅紫色の花を発見できる。実はイナモリソウはなかなか出会えなかった花のひとつなのだ。ほんのりと顔を赤く染めた少女のようなピンクの花がかわいらしく何とか写真にと思いながらも果たせなかったものだ。 しばらく山道を下ると日影沢に出る。この辺りにも湿生植物が豊富に見られる。春先にはヒカゲスミレ、タカオスミレ、ニリンソウなどで賑やかなところだ。この時期にはランの仲間のサイハイランが見事に開花している。また1号路付近ではタチガシワも観察できる。そしてヤマアジサイなどが咲き出すといよいよ本格的に梅雨の季節に突入することになる。 |