高萩     1994年10月15日、2002年10月28日、1993年11月13日
JR高萩駅〜高戸海岸・小浜〜墓地公園〜JR高萩駅
 ハマギクとコハマギクは本州の茨城県以北の太平洋沿岸に分布し、コハマギクは北海道でも見られる。なかでもハマギクは頭花が大きく立派で見栄えがするため分布地域以外でも最近植栽されている。たとえば愛知県の伊良湖岬や山陰地方の海岸に面した公園でも見かけたことがある。
 秋の海岸に咲くこれらのノギクを求めて自生地の南限に近い茨城県の高萩まで何回か出向いたことがあった。最初は11月中旬で、既に目的のハマギクとコハマギクは終わりを告げ、頭花の黄色い部分が黒く変色し始めて撮影には適さなかった。次に訪問したときは10月中旬でわずかに開花していただけで時期的に早すぎた。今度こそはと思い撮影に行く機会を狙っていたが、なかなか出かけられず2002年にやっと実現した。10月下旬の海岸には期待以上の群生が認められた充実した一日だった。
 JR高萩駅から歩いてもそれほど時間はかからずに海岸まで達することができた。海岸沿いには万葉の道と名付けられた小道が設けられていた。ところどころ断崖絶壁の狭い道をたどりながらハマギクの群生を眺めることができた。コハマギクは数が少なく道中の数箇所に認められたのみであった。墓地公園付近には海岸まで降りられるところがあり間近に観察できた。最初に集落の中を抜けて墓地公園まで行き、そこから海岸沿いを南下する逆コースでもどちらでも良いと思われた。
 その他に海岸付近やそこに達するまでに見られた花はキッコウハグマノダケ、シラヤマギク、ヤマゼリ、センブリ、アキノノゲシ、イヌタデ、ミゾソバなどであった。アザミの仲間では関東地方で普通に見られるトネアザミが花盛りで目を奪われた。またキバナアキギリは10月中旬に訪れた時に黄色の清楚な花を残していた。ちょうどこれら2種のキクが開花する頃に終わりを迎えるようだった。
高戸海岸
ハマギク
コハマギク
トネアザミ