白馬岳 1994年7月24日〜26日-@ |
猿倉〜白馬尻〜大雪渓〜頂上宿舎(泊)〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜大出原〜鑓温泉(泊)〜猿倉 |
高山植物の中には開花時期が早く、7月中旬からの夏山登山の最盛期には既に見られない花が幾種類かある。たとえばツクモグサ、キタダケソウなどがその代表種である。これらの植物は雪溶け直後に開花するため6月から遅くとも7月上旬でなければ新鮮な花にお目にかかることは難しい。しかし前年からの積雪が多く雪融けが遅れた場合など例外的にこれらの花が観察できる時がある。 1994年はその例外的な年だった。猿倉から大雪渓を登り、杓子岳、白馬鑓ヶ岳を経由して鑓温泉に下り、猿倉に戻るコースを踏破した。 大雪渓にたどり着くまでには、タマガワホトトギス、フキユキノシタ、オオバミゾホオズキ、キンレイカ、キヌガサソウ、サンカヨウなどが咲いていた。大雪渓の縁には黄色い花のミヤマキンポウゲが群生し、その中にピンクの花をつけオオサクラソウが点在しアクセントをつけていた。歩を進めるに連れてイワオウギ、エゾムカシヨモギ、キバナカワラマツバ、タカネイブキボウフウ、シロウマアサツキ、ハクサンフウロ、シロウマスゲ、ミヤマアケボノソウ、ヨツバシオガマ、タカネスイバ、ヒメクワガタ、シロウマタンポポ、ミソガワソウ、クルマユリ、チシマギキョウ、イワギキョウ、ウルップソウ、ウメハタザオ、ハクサンボウフウ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、イワツメクサなどが次から次へと現われ息つく暇も無いほどだった 稜線まで辿りつき尾根の西側へ観察に出かけるとハクサンコザクラ、ケナシハクサンオオバコ、クモマグサ、ハクサンイチゲ、ミヤマクロユリ、コバイケイソウ、ミヤマハタザオ、エゾシオガマ、ミヤマダイモンジソウなどの異なった花たちが迎えてくれた。 山頂付近ではツクモグサがまだ残っていてくれた。例年だと花は終わりチングルマと似た特徴的な集合果が見られる頃だが、この時期に花が見られたのは幸運なことだった。花は終盤とは言え、ふさふさとした毛をまとった様子は何とも愛おしいものだった。 |