白馬岳 1999年8月17日〜18日 |
猿倉〜白馬尻(泊)〜大雪渓〜頂上宿舎(泊)[〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜大出原〜鑓温泉(泊)〜猿倉] |
白馬岳は玉手箱のような存在である。というのは、いつ訪れても必ず新しい発見があり、今まで出会ったことのない植物に巡り会えて驚かされるからだ。何が現れるか箱を開けてからのお楽しみである。 8月も中旬を過ぎると各地の高山帯では花が少なくなり、一抹の寂しさを覚える季節である。ところが北岳や白馬岳は花の数が多く、衰えるどころか今を盛りと咲き競っている。今回の登山ではあまりに多くの植物と対面できたので2回に分けて紹介することにした。 いつものように猿倉からスタートした。ジャコウソウ、ヤマアジサイ、チョウジギク、オオレイジンソウなどの咲く樹林帯の登山道を進んだ。白馬尻に着くと7月に花盛りだった植物も今はすっかり衰え、代わりにオタカラコウやミソガワソウが群生し勢力を拡大していた。サンカヨウは青い果実をつけていた。岩場にはミヤマアカバナの花も見られた。 翌日は大雪渓を登った。さすがに雪渓の幅は狭くなってきたが、まだまだ登りがいがあった。雪渓の縁にはオニシモツケ、ハクサンシャジン、ミソガワソウなどが高茎草本群落を形成していた。岩場や湿った草地はクロクモソウ、アラシグサ、ヒメクワガタ、ミヤマタンポポ、タカネスイバ、マルバギシギシ、ミヤマオダマキ、エゾシオガマ、カンチコウゾリナ、タカネイブキボウフウなど様々な花で彩られていた。中には紅紫色が鮮やかなオノエリンドウや白色が清楚なシロウマリンドウも加わっていた。 頂上宿舎に近づくとお花畑はオタカラコウ、ハクサンフウロなどで構成され最高潮になった。オオハナウド、テガタチドリ、ハクサンボウフウ、タカネナデシコ、イブキジャコウソウ、キオン、ミヤマトリカブト、ミヤマセンキュウなど鮮やかな花々がこの上ないほどの見事さで咲き誇っていた。 花に囲まれた頂上宿舎では今日出会った花たちを改めて思い出しつつ、明日に期待を膨らせながらゆっくりと休息した。 |