至仏山        1997年8月1日
鳩待峠〜トカゲ岩〜オヤマ沢田代〜小至仏山〜至仏山〜高天ヶ原〜山ノ鼻
 1997年8月1日は偶然にもしばらく閉鎖されていた山ノ鼻から至仏山への登山道が再開された日だった。鳩待峠から登り始めるとミヤマタムラソウ、ハナニガナ、カノツメソウなどが咲き、通称トカゲ岩の湿原ではキンコウカが群生していた。ここからジョウシュウオニアザミ、イワオトギリ、オオレイジンソウミヤマワラビも現れた。オヤマ沢田代ではタテヤマリンドウ、ミタケスゲ、シラネニンジンが咲き、この先の岩場ではオゼソウの残花も認められた。さらに進むとコメツツジ、イワシモツケ、ネバリノギラン、そしてホソバヒナウスユキソウも確認できた。しかし花は終わりかけで、頭花はすでに茶色に変色してた。
 小至仏山から至仏山にかけてはこの山域で一番のお花畑が広がっていた。タカネナデシコ、ミヤマウイキョウ、ホソバツメクサ、ヒメシャジン、イブキジャコウソウ、ハクサンサイコ、キンロバイ、ムラサキタカネアオヤギソウなど数え切れないぐらい多くの高山植物が次々と登場した。至仏山山頂からは尾瀬ヶ原の広々とした湿原が眼下に広がっていた。
 ここからは新しく整備され再開された登山道を通り山ノ鼻へ下った。高天ヶ原付近では花が多く見られた。タカネトウウチソウ、ハクサンシャクナゲ、タカネバラ、ジョウシュウアズアマギク、ホソバコゴメグサなどが咲いていた。ここから下の蛇紋岩の露出地帯ではシブツアサツキ、カトウハコベ、ハクサンシャジン、湿地帯ではキンコウカ、ワタスゲ、サギスゲなど観察できた。登山道はかなりの部分で木製階段が取り付けられ整備されていたが、途中の蛇紋岩の露出地帯は水で滑って歩きにくいため注意して下りたい。
 至仏山は蛇紋岩で形成されており、特異な植物がたくさん生息している非常に興味深いところである。
シブツアサツキ
ジョウシュウオニアザミ
カトウハコベ
ヒメシャジン