至仏山        2004年7月7日
鳩待峠〜トカゲ岩〜オヤマ沢田代〜小至仏山〜至仏山〜高天ヶ原〜山ノ鼻
 尾瀬には数回訪れているが今回は至仏山のみ紹介する。7月上旬の至仏山は代表種のオゼソウやホソバヒナウスユキソウが満開で素晴らしいものであった。
 鳩待峠からしばらくはダケカンバなどの樹林帯の中を登った。林床にはハリブキ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナなどが見え隠れした。通称トカゲ岩は蛇紋岩の露岩でここは小規模な湿地になっていた。この辺りから高山植物が多くオオバツツジ、ウラジロヨウラク、アカモノ、ハクサンチドリが出現した。オヤマ沢田代へ出る手前の沢筋にはシラネアオイとサンカヨウがわずかに咲いていた。オヤマ沢田代ではワタスゲの果実の白い綿毛が風になびいて風情があった。他にはタテヤマリンドウ、ヨツバシオガマなどが見られた。
 ここから先は高山植物の宝庫となっていた。蛇紋岩の岩場や草地には尾瀬の名前を冠したオゼソウが現れ黄緑色の地味な花を咲かせていた。よく見るとかなりの個体数で群生していた。湿った場所にはハクサンコザクラ、草原にはハクサンイチゲ、シナノキンバイが群落を形成していた。小至仏山山頂付近ではタカネバラ、ジョウシュウアズマギク、ミネウスユキソウ、エゾウサギギク、ウラジロハナヒリノキ、クロウスゴも見つかった。ここでやっとホソバヒナウスユキソウが登場した。わりと小さいが気品のある花だ。ムラサキタカネアオヤギソウ、ホソバツメクサ、ハクサンシャクナゲ、マルバヘビノボラズ、コメツツジ、タカネシオガマ、キンロバイ、ジョウエツキバナノコマノツメ、ミヤマダイモンジソウも咲き華やかなお花畑が至仏山山頂まで続いていた。
 山頂で小休止して今度は山ノ鼻へ下った。オゼソウ、ジョウシュウアズマギク、ユキワリソウ、イワイチョウ、タカネクロスゲ、ハナニガナ、イワシモツケなど豊富な花々を観察して下山した。残念ながらシブツアサツキはまだつぼみであったが、特有の植物を十分に堪能することができた。
ホソバヒナウスユキソウ
オゼソウ
ジョウシュウアズマギク
タカネバラ