六呂師高原 2009年4月11日 |
妻平湿原、馬取池、神明山、自然観察の森、六呂師高原スキー場など |
六呂師高原は福井県大野市の北東部にある経ヶ岳の山麓に広がる高原状の溶岩台地で奥越自然公園の中にある。六呂師高原スキー場、自然保護センター、奥越青少年自然の家、自然観察の森などの施設が整っている。 ここには妻平湿原、池ヶ原湿原、馬取池などの湿地が点在し多くの湿生植物が観察できる。春にはミツガシワの群生が見られるのではないかと期待したがまだ咲いていなかった。開花は4月下旬になってからのようだった。 その代わりに周辺の林内ではカタクリとキクザキイチゲが所々で小規模ながらも群落を形成して春爛漫の風情を演出してくれた。写真を撮影していると蝶の姿がファインダーを横切った。ギフチョウか、はてまたキアゲハか。一瞬の出来事で識別できなかった。しかしこのあたりにはギフチョウが生息していても不思議ではなかった。 他の植物に目をやると草本ではタチツボスミレ、ショウジョウバカマ、エンレイソウ、ウスバサイシン、ミヤマキケマンや植栽と思われるフクジュソウが花盛りだった。 木本ではキンキマメザク、マルバマンサク、オオバクロモジ、ダンコウバイ、ハンノキ、ミヤマカワラハンノキ、オオキツネヤナギ、サワシバ、タムシバ、コブシ、キブシ、ユキバタツバキなどを発見した。一見殺風景に思える落葉広葉樹林内にこんなにも数多くの花が咲いているとは驚きだった。中でもキンキマメザクラはほんのりと赤らんだ美しい花でソメイヨシノとは違った花見を楽しむことができた。また花弁の色が赤いアカバナマンサクや花弁の基部に赤色が混じったニシキマンサクを探したが見つからなかった。赤い実をつけたヒメアオキや足元に広がるハイイヌガヤも林床で目を引いた。 季節を変えれば湿原ではミズチドリ、カキラン、ミズトンボ、トキソウ、モウセンゴケ、コバギボウシ、サワヒヨドリなど様々な湿原植物が見られるという。足を伸ばせば経ヶ岳へも挑戦できる。対峙する荒島岳の雄大な風景も意のままにできる。そんな高原に再訪を誓って帰途に着いた。 |