乗鞍 2014年9月2日、1998年9月15日 |
乗鞍高原(牛留池、善五郎の滝、一の瀬園地など) |
乗鞍高原は乗鞍岳の山麓から中腹にかけて広がる高原地帯で標高は1200m〜1600mほどで観光地として開けている。標高の高い所ではシラカバの美しい樹林帯が見られる。所々で見られる湿地帯や池、滝などの見所も数多く、植生も変化に富んでいる。 ノリクラアザミは乗鞍の名前を冠したアザミで中部地方から北陸地方の山地から亜高山帯の林縁や草原に生える種である。総苞片が反り返り、葉裏に白いクモ毛が密生して白色に見える特徴がある。 このノリクラアザミを初めて目にしたのは乗鞍高原で1998年9月15日のことだった。流れの側で見つけたが最盛期を過ぎていた。咲き残っている花はごく少なく、枯れて茶色に変色した花が多くて悔しい思いをしたものだった。 ノリクラアザミは乗鞍でぜひ紹介したいと思っているうちに10年以上が過ぎてしまった。今回16年ぶりの再会を果たすことができた。ノリクラアザミは健在だった。前回より時期的に早かったため咲き始めた花を心行くまで撮影できた。 樹林帯の中では花は少なかったが、林縁や開けた所では秋の花たちが開花して花盛りだった。中でもヤマハハコ、アキノキリンソウ、ノコンギク、ゴマナ、コウゾリナ、ノハラアザミ、オオヨモギ、キオン、アラゲハンゴンソウなどのキク科の花が多く咲き乱れていた。 オトコエシ、ツリフネソウ、キツリフネ、ゲンノショウコ(白花と赤花)、ツルキケマン、ヤマホタルブクロ、ママコナ、クルマバナ、ニッコウコウガイゼキショウ、エゾシロネ、ミゾソバ、ノリウツギ、メダラなどの花も見つけることができた。 一部の草原地帯ではサラシナショウマやススキが群生して秋の気配を感じさせてくれた。 紅葉の季節にはまだ早かったが、オオツリバナの赤く熟した果実と背景の青空とのコントラストが何とも美しいものだった。 また雨の多い時期でもあり、キノコの類が豊富に発生していた。ベニテングタケ、カイメンタケなどが顔を覗かせていた。 |