日光(戦場ヶ原) 1998年7月19日〜20日 |
戦場ヶ原、小田代ヶ原、湯元など |
夏の真っ盛りに日光戦場ヶ原とその周辺に植物観察に出かけた。とはいっても本格的に山に登るのではなく、湿原散策が狙いだった。 戦場ヶ原に着くと予想していたよりも遷移が進んでいるようで湿原状態のところはそれほど大きく広がってはいなかった。そのなかで目に付いたのはホザキシモツケの大群生だった。ピンクの花穂をいくつも並べて明るく彩っていた。それ以外の花はハクサンフロ、ニッコウアザミ、キンポウゲなど見られたが少なかった。湯元周辺ではドクゼリ、サワギク、タマガワホトトギス、ホツツジ、ウマノミツバが咲いていた。 植物が見られなくなったのは、シカの増加による食害が原因だった。シカなど野生動物が保護され増えてきたために、貴重な高山植物も食い荒らされる結果となってしまったようだ。小田代ヶ原ではシカの食害から植物を守るために周囲を電気柵で囲って保護していた。出入り口は回転扉になっていて、人は出入りできるがシカは出入りできないようにされていた。また自家用車は規制され電気バスが運行され自然環境にできるだけ影響を与えないように配慮されていた。 その小田代ヶ原ではノアザミが群生し、幻想的な風景だった。しかし望遠レンズを持参していなかったため、良い写真が撮影できなかった。湿原の周辺に広がるシラカバ林も美しかった。 その他周辺の山道を散策しているとオトギリソウ、ヤマキツネノボタン、イケマ、サワギク、キオン、マルバダケブキ、ヤマオダマキ、ノハナショウブ、コバノトンボソウなどが見つかった。また偶然にもイトキンポウゲが咲いているのが確認できた。葉だけ見たのではとてもキンポウゲの仲間とは思えないような糸状の葉をしている変わった植物だった。 今回も草原で餌を食べるシカの群れを見かけたが、山中でシカが増加しているのは他の地域でも同様であり、その食害の影響も無視できない状況にあるようだった。 |