三浦半島(荒崎海岸) 1996年9月28日 |
三崎口駅〜矢作入口〜長浜海岸〜荒崎海岸〜長浜海岸〜矢作入口 |
秋になると海辺ではそれぞれの地方により異なったキクの仲間が観察できるので非常に楽しみにしている。今回は海岸に咲くキクの仲間を中心に紹介する。 まず関東地方でなければ見られないワダンを求めて三浦半島の荒崎海岸に出かけた。三崎口駅から海岸に達するまでの道沿いにはヒガンバナの赤い花とツユクサの青い花が目を楽しませてくれた。海岸に近づくとハマカンゾウがオレンジ色の花を空に向け秋の日差しを浴びて目いっぱいに咲かせていた。ハマコウゾリナの黄色の花が輝き、ツルナの小さくてかわいい黄色い花も見つけることができた。 しばらく海岸沿いに歩いているとかわった形をした植物が土手一面を被っているのが目にとまった。これはイワダレソウだった。茎を長く伸ばし円柱状の穂状花序をつくり小さな白い花をつけていた。あまりの面白さに見とれてしまった。さらに進むとヒロハクサフジが現れた。その名のとおりクサフジとくらべると小葉の幅が広いマメ科の植物で海岸に分布する種だ。ミヤコグサも黄色い花をふくらませ目立っていた。 崖の斜面では目的の花であるワダンがやっと登場した。まだ咲き始めであったがニガナに似た花を幾つも咲かせていた。すでに南の地方でホソバワダンの花を見てきているのでもっと似ているかと思ったが、葉の幅が広く明らかに印象が異なっていた。その他にも崖にへばりつくように咲いているハマエノコロやコマツナギも見つかった。イソギクも分布しているが開花はまだ先のようだった。 目的とする花も見られたので適当なところで引き返した。帰り際に土手の上でソナレマツムシソウを発見した。正確には予め情報を得ていたので予想通り見つかったというところか。海岸型の種でマツムシソウと比べるとやや小ぶりで花も小さい。この花を撮影後帰途に着いた。秋の荒崎海岸は予想以上に多くの花が咲き乱れ賑やかだった。 |