面ノ木峠       1991年〜2007年-@
面ノ木峠、天狗棚、木地師屋敷跡など
 毎年春になると必ずと言っていいほど訪れる場所がある。それは愛知県の面ノ木峠および天狗棚である。県内では数少ないブナの原生林が残されており植生が豊かで訪れる度に新たな発見が期待できると言っても過言で無いほど素晴らしいところである。特に春先に咲くスミレの種類は多く県内でも有数の産地である。ここではスミレ類を中心に紹介する。
 まず面ノ木峠駐車場から登り始めると目にとまるのがトウカイスミレである。わりと早咲きで例年なら4月上旬頃から咲き始める。横道を進むと群生しているところが見られる。その他シコクスミレ、ナガバノスミレサイシン、タチツボスミレ、ユリワサビヤマウツボ、ミヤマハコベ、ワチガイソウ、ユキザサ、マイヅルソウ、コガネネコノメソウ、ニッコウネコノメなどが出現し、時期が少し遅ければフイリフモトスミレも咲き出す。
 面ノ木ビジターセンター側からの登山道では様々なスミレが観察できる。アケボノスミレ、サクラスミレ、ヒゴスミレ、タチツボスミレ、ツボスミレ、スミレなど。交雑種のマルバタチツボスミレやフイリヤシュウスミレも見かけたことがある。以前5月下旬にシロスミレが咲いていたが、残念ながら現在では見られない。
 木地師屋敷跡付近ではショウジョウバカマ、ギンラン、ササバギンラン、シロバナエンレイソウ、コガネネコノメソウ、ニッコウネコノメ、チゴユリ、ホウチャクソウ、ミヤマセントウソウなどが彩を添えている。また植栽されたクリンソウやサクラソウが紅紫色の鮮やかな花をつけている。
 面ノ木峠駐車場から渓流に沿って下ると、湿生植物が現われる。最近トウノウネコノメキバナハナネコノメイワネコノメソウを発見した。また、コチャルメルソウ、タチカメバソウ、ギンリョウソウなどがよく探せば見つかるはずだ。
 他にはハシリドコロの群生が見られる場所もあるし、かつてヤマシャクヤクが開花していた所もある。アセビ、ミツバツツジ、ウスギヨウラク、ベニドウダン、ヤマツツジなどツツジの仲間も加わって春の花々の競演を満喫できる貴重な地域である。
トウカイスミレ
アケボノスミレ
サクラスミレ
コガネネコノメソウ