木曽駒ヶ岳        1995年8月26日
千畳敷駅〜千畳敷カール〜乗越浄土(往復)
 山岳地帯には一般車の通行が制限されている道路がいくつかある。降雨による崖崩れなどの災害を受けないように危険な道路は通行規制される場合がある。また夏山登山の最盛期などでは車の渋滞が起こり通行の妨げにならないよう渋滞を緩和する目的がある
 木曽駒ヶ岳の伊那谷側にはロープウェーが架けられ山麓のしらび平駅から標高2611.5mの千畳敷駅までわずか7分30秒で運んでくれる。しらび平駅までは路線バスで菅の台から40分で到着する。一般車は進入禁止で菅の台に駐車してバスに乗り換えることになっている。
 ある時気象条件が悪く、菅の台からしらび平の間でがけ崩れが発生して道路が寸断されたことがあった。ちょうどこの時に当ってしまった。崩落現場で下のバスを降り、工事現場で使われる臨時階段を渡って迂回して上のバスに乗り換えて移動した。さらに心配したとおり、ロープウェーが混雑して2時間待ちに見舞われた。おかげで山上での時間が短縮され駆け足での登山となってしまった。今回参加したツアーでは登山後に白馬山麓まで移動して宿泊する予定になっていた。
 何はともあれ、8月下旬の千畳敷では多くの高山植物が早くも終盤を迎えていた。茎がジグザクに曲がる特徴的なタカネトリカブトや、総苞が黒くて紅紫色が鮮やかな花をつけるクロトウヒレンが開花してお花畑を盛り上げていた。
 千畳敷カールから乗越浄土までを往復する時間しか取れなかったが、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、コウメバチソウ、ミヤマアシボソスゲ、コマウユキソウシナノオトギリ、ミヤマホツツジ、イワツメクサ、コキンレイカ、ハクサンボウフウ、オンタデなどが最盛期を過ぎたもののまだ健在だった。シラタマノキの白い果実も目立つ存在だった。ミヤマシグレは果実が赤く色づき始めていた。
 その後、予定より遅れたが白馬の宿舎に到着して一安心したものだった。夏の終わりのあわただしい一日だった。
タカネトリカブト
クロトウヒレン
ミヤマアシボソスゲ