大和葛城山 2016年5月17日 |
青崩登山口〜天狗谷コース〜山頂〜ツツジ群生地〜北尾根コース〜ロープウェイ登山口駅 |
大和葛城山に咲くツツジの群生には目を見張るものがあり、山一面がヤマツツジの朱赤色で染まる光景は筆舌に尽くしがたいものだと思っていた。実際に現地で目にするとヤマツツジ、モチツツジ、ミヤコツツジ、コバノミツバツツジなどが混ざって生えていて壮観だった。この年は植物の開花が早く、ヤマツツジも例年ならば、最盛期のはずだったが、すでに盛りを過ぎていた。とは言え、ツツジの群生は十分に見応えがあった。 大阪府側の登山口から登り始めたが、薄暗いスギ、ヒノキの植林地帯を進むため、あまり目立つ花が咲いていたわけではなかった。しかしながら造林地の林床や流れの側では、スゲの仲間がたくさん見られた。 まずササノハスゲが大きく葉を広げていた。スゲの仲間では大きくて幅広い葉をもつ種で、林内の所々で群生していた。 この葛城山が基準産地であるアオミヤマカンスゲも林縁の流れの側で確認できた。雄鱗片や雌鱗片が淡緑色でミヤマカンスゲの変種とされる種だ。 登るにつれて、先ほどまでササノハスゲが林床に見られたのに、気が付けばタガネソウに代わっていた。似ているものの小穂の形が異なるので見分けられた。 他に目についたスゲはジュズスゲ、テキリスゲ、アブラシバ、ヒゴクサ、ヒメカンスゲ、ベニカンスゲ、ヒカゲスゲ、ヒメモエギスゲ、アリマイトスゲなど雑多なものだった。 スゲ類以外ではヤワゲフウロ、カントウマムシグサ、ヨツバムグラ、トボシガラ、ミヤコアオイ、クマイチゴ、ヌカボシソウ、クルマムグラ、アオハコベ、カモガヤ、ハナイカダ、カマツカ、マルバウツギ、イボタノキ、ノイバラ、アキグミなどが確認できた。 葛城山の南にある金剛山の植物も含めて多様であることから改めて植物観察に訪問したいと思わせるほど十分に魅力的な山域だった。 |