伊豆半島 2007年11月4日、2006年11月13日 |
ソナレセンブリの巻 |
秋も深まると海岸へ出かけることが多くなる。各地の海岸にはそれぞれ特徴的な植物が咲いているので、それらを求めて旅をすることになる。限られた場所にしか咲いていない植物も多い。ソナレセンブリもその一種だ。 伊豆地方に分布しているソナレセンブリとの出会いを期待して2006年に探索に出かけた。海岸には秋の花が咲きそろい賑やかなものだった。まず目立ったのはイソギクでこのあたりの海岸ではあちこちで群落を形成して見事なものだった。イソギクに負けないほど群生して咲いていたのはアゼトウナだった。ツワブキの大きな花も目立つ存在だった。いずれも黄色い花で青い海と青空を背景にしてコントラストが際立っていた。 うっかり触って鋭い刺にさされると痛そうなイアガザミやハマアザミが浜辺で花開きピンク色の花が美しいものだった。 またノコンギクの変種で葉が厚いハマコンギクやヒロハクサフジ、ボタンボウフウ、アシタバ、ハマエノコロ、ムラサキハマエノコロなどが散見された。さらにハマエンドウ、ハマオモト、ソナレムグラ、ハマダイコンの残花がわずかに認められた。 一方、地味な存在ながらもハチジョウススキは所狭しと繁茂していた。良く見るとマルバグミも開花中で花着きが良かった。花は終わっていたがイソヤマテンツキ、ヒトモトススキも確認できた。オオムラサキシキブの紅紫色の果実やノブドウの紫色の果実も見られた。 林縁や路傍などにはヤツデ、ツルソバ、アカネ、コメナモミ、アメリカイヌホオズキ、ホウキギク、アズマヤマアザミが咲いていた。 しかしながら肝心のソナレセンブリは発見できなかった。翌年に再度チャレンジしてやっと対面することができた時には、喜びも倍増していた。崖地に咲き誇るソナレセンブリの花をじっくりと観察したものだった。苦労して探し当てた時、その感激は忘れることができない思い出となった。 |