居谷里湿原 2014年9月2日 |
湿原入口〜居谷里神社〜かさすげ橋〜ハンノキ小径〜湿原入口 |
居谷里湿原を最初に訪問したのは2000年5月中旬でちょうどスミレの満開の頃だった。オオタチツボスミレ、サクラスミレ、チシオスミレ、ゲンジスミレ、ヒナスミレ、マルバスミレ、マキノスミレ、ツボスミレ、ムラサキコマノツメなど多くの種類のスミレに出会えて感激したものだった。他にモ満開のミツガシワの群生に見とれたり、終わりかけのミズバショウやザゼンソウも見られたりして想像以上の収穫だった。 豊かな植生に魅了されて、時期を変えてまた訪問したいと思いつつも、なかなか実現できずにいた。そんな時にこの湿原にはアザミの仲間やトリカブトの仲間で比較的珍しい種類が生息することがわかり、観察に赴いた。 現地に到着すると、誰一人として訪問客はいなくてひっそりとしていた。静かな湿原には色とりどりの秋の花たちが咲き出していた。 ヤチアザミは長野県と群馬県の湿地に生えるアザミで今日の目的とする種のひとつだったが、割と簡単に見つかった。というのも湿原の入り口付近に群生していたからだった。茎が直立して上部で枝をわけ頭花を上向きにつける特徴があり、すぐに本種と判明した。 イヤリトリカブトはこの居谷里湿原の名前を冠したトリカブトの仲間で本州の日本海側の多雪地の湿地に生える種で今日の目的とするもうひとつの種だった。こちらはすぐに見つからなかったが、湿原を進むうちに出現してきた。開花初期のため花数は多く見られなかったが、つる状に茎が伸び、葉が掌状に3深裂することから本種と判断した。 思いがけず出会えたのがフジバカマだった。そう言えば栽培品は何度か見かけたが、自生しているものを見ることができたのは初めてのことだった。 その他にも以下のような多様な植物が湿原とその周辺で観察できた。ツリフネソウ、サワヒヨドリ、サワギキョウ、ミゾソバ、ミズオトギリ、ミズガヤツリ、カワラスガナ、ヒメシロネ、ヒメジソ、ホソバノヨツバムグラ、ノダケ、ドクゼリ、カノツメソウ、ミヤコアザミ、フシグロセンノウ、ハンゴンソウ、ヤブレガサ、ホソバガンクビソウ、オオバクサフジ、ママコナ。 |