石狩浜 1992年8月27日 |
石狩燈台〜遊歩道〜東屋〜遊歩道〜河口先端(往復) |
いつ訪れても思うことだが、北海道は広い。手付かずの広大な原野があちこちに広がっているのだ。中でも海岸沿いの各地に点在する原生花園と呼ばれる地域には素晴らしい花園が展開される。これらには及ばないかもしれないが、石狩浜は石狩川の河口に広がる砂丘地帯で一部には湿地帯も含み海浜植物を中心とした様々な植物が観察できるところである。 訪れたのは夏の終わりの季節だった。車で石狩燈台を目指して進むとやがて駐車場に到着した。ここにはビジターセンターが開設され観察情報や花の写真が展示されていた。先に進むと海浜植物保護区となっていて柵が設けられ、保護区内には木道が敷かれていた。 砂丘地帯を登り下りして、遊歩道脇に現われてくる植物を観察した。すぐに紅色の鮮やかな花を付けたハマナスが眼に留まった。大部分は既に大きく実った赤い果実になっていた。わずかに咲き始めていたのがキタノコギリソウだった。まだ1輪のみの開花だった。砂浜に目を凝らすとウンランの花がたくさん咲いていた。ハマナスと比べて花が黄色い淡い色なので目立たないが、キンギョソウの仲間で面白い形をした花だった。よく探すと点々と見つかった。 湿ったところにはナガボノシロワレモコウが一面に広がって群落を形成していた。これほどの群生は見たことがなかった。本州では高原に見られるヤナギタンポポがここでは平地で見られた。また帰化植物のユウゼンギクが顔を覗かせていた。その他海岸で見られる植物にはハマニンニク、コウボウムギ、コウボウシバがあり果期の様子を知ることができた。 春から初夏にかけては、イソスミレ、ハマハタザオ、ハマエンドウ、ハマニガナ、エゾスカシユリなどの海岸植物が見られるという解説を読み、ぜひ時期を変えて訪れてみたいものだと思った。 |