医王山      2009年4月29日-A
白兀山山頂(医王山山頂)〜菱広峠(夕霧峠)〜シガラ首〜大沼〜金山峠〜医王権現
ブナ林床の残雪
コシノコバイモ
ユキツバキ
カエデ類の新緑
 白兀山山頂から奥医王山に向かって歩き出すと蝶が飛び回っていた。ギフチョウだろうか。この時ふとリュードルフェアラインという言葉が頭に浮かんだ。ギフチョウとヒメギフチョウの棲み分けを示す境界線のことだ。後日調べるとこの地域にはギフチョウが分布することが判明し間違いはなかった。
 この先のブナ林床にはまだ残雪が認められた。大きく曲がったブナの幹は積雪の多さを物語っていた。標高1000mに満たない山であるにもかかわらず4月下旬にこれほど残雪が見られるとはさすがに北陸地方の多雪地帯のことだけはあると感心した。
 菱広峠からはシラガ首、大沼を経由して医王権現まで戻った。道中はスミレサイシン、ナガハシスミレ、オオタチツボスミレ、シロバナオオタチツボスミレ、キクザキイチゲ、コシノコバイモ、ヒロハテンナンショウ、エチゴキジムシロ、ショウジョウバカマ、ミズバショウ、ヤマエンゴサク、シロバナニシキゴロモ、オオケタネツケバナ、ネコノメソウ、コチャルメルソウ、ヒメカンアオイなどの草本植物で賑わっていた。
 しかしそれ以上に感動したのは木本植物の多彩さだった。まずカエデ類の大木が多いことに目を奪われた。カエデの新緑の美しさとともに秋の紅葉の見事さを想像するとわくわくする思いだった。オニイタヤ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデ、ヤマモミジなどだった。他にもホオノキ、ミズナラ、ブナなどの大木やサワシバ、クマシデ、タムシバムシカリ、キンキマメザクラ、ヤマザクラ、オオキツネヤナギ、ヒメヤシャブシ、ミヤマカワラハンノキ、ヤマハンノキ、キブシ、マルバマンサク、ハイイヌガヤ、ヒメアオキ、ユキツバキ、ユキグニミツバツツジ、ミツバアケビ、ナガバモミジイチゴ、チマキザサなど限りがないほどだった。
 もうひとつ感動したことがあった。それは地形の複雑さだった。緩やかな山道あり、急坂あり、美しい沼あり、涼しげな滝あり、険しい登りの岩場あり、肝を冷やす渓谷ありの変化に富んだ興味深い登山道が幾重にも入り乱れて楽しめることだった。