伊吹山 1992年9月6日、1996年9月8日 |
山頂駐車場〜西回りコース〜伊吹山山頂〜東回りコース〜山頂駐車場 |
9月に入ってからの伊吹山は秋の花が最盛期を迎え、風情のある高原のハイキングが満喫できる。たとえばキク科の花などはこの時期から本格的に高原を占有する。リンドウもそろそろ咲き出す時期である。 いつものように駐車場から西回りコースを行くとフジテンニンソウの群落に出会った。盛期は過ぎているものの白い花穂を伸ばして懸命に咲いていた。まだアカソの花も残っていた。遠くに見えるのはイブキアザミで赤紫色の頭花をたくさんつけていた。山頂より山腹に多く分布する種だ。白い花びらに緑と黒の斑点をちりばめたアケボノソウ、セリ科の白い花をつけるイブキゼリモドキ、ピンク色の花が新鮮なハクサンフウロやイブキフウロも開花して賑やかだった。足元に目をやると地味ながらもミツバベンケイソウが咲いているのがわかった。 山頂に近づくとアキノキリンソウとオオヨモギが群生し、すがすがしい高原の秋を感じさせた。ありふれた花だが高原で群生するとその美しさに思わず見入ってしまった。花期の長いシオガマギクはまだ残っていた。セリ科のヤマゼリは登山道脇に咲いていた。アキノキリンソウ、ツリガネニンジン、ワレモコウの草原の中にリンドウの紫色の花が開花し出し、これから花盛りを迎えようとしていた。 東回りコースではイブキトリカブトがところどころで群生していた。直立してまとまって咲くので迫力があった。サラシナショウマは残花のみで、フジテンニンソウがこれに取って代わっていた。一部にイブキコゴメグサが見られた。これも伊吹山の名を冠した種のひとつだ。その他ヤマハッカ、コイブキアザミ、ミゾソバなどが目にとまった。最後に下る途中でゴマナの花が群生し、サラシナショウマとともに霧にかすむ風景を演出していた。名残惜しい気もしたが、秋も深まりつつある伊吹山をあとにした。 |