平戸島、田平     1993年10月22日、2001年11月10日〜11日
平戸島内各所、田平町内各所
 長崎県の平戸島および田平町内にノギクを求めて観察に出かけた。途中佐賀県の有明海で紅葉したシチメンソウを撮影した。平戸島は平戸大橋によって九州本土とつながり車で渡ることができた(平戸大橋は有料だった)。島内には標高300m前後の山々が連なり、それらの中には特徴的な植物が群生しているところがある。そのひとつの山に登ることにした。麓の集落を通り細いくねくねした道をしばらく上ると登山口に出た。ヤマジノギクがきれいに咲いてた。ここからメガルカヤの広がる草原地帯を進んだ。草原の中にはところどころでヒナヒゴタイの淡紅色の花が微笑んでいた。しばらくすると岩場が現れ、辺りにはチョウセンノギクの白い花が咲き乱れていた。白くて大きめの花は日光に輝いて眩しいほどだった。光が強すぎるため日影の花も撮影した。淡紅紫色の花はイトラッキョウだった。ヤマラッキョウと比べて花数が少ない感じがしたが、その美しさは負けずとも劣らなかった。数は少なかったがムラサキセンブリも咲きだしていた。その名の通り薄紫色で秀麗であった。その他、オトコヨモギ、ススキなどが一緒に咲いていた。また先端に羽毛状になった花柱を放射状に広げたセンニンソウ属のそう果が興味をそそった。残念ながらダンギクは花を終えていた。10月上旬ころが最盛期だろうか。また花の時期に観察に来なければと思った。
 田平町内では海岸の崖に咲くダルマギクを探してあちこち歩いた。一部の海岸では群生し見事だった。ツワブキ、ホソバワダン、ヤマハッカ、ヤマジノギク、シマカンギク、ヒヨドリバナなど秋の花々が随所に認められた。ヤマジノギクは地元の人たちが草刈の際に残しておいたと思われる株が大きく育ち、花を鈴生りに付けて頭を垂れていた。
 平戸島内のその他の地域はまだ良く観察できていないのであらためて訪問してその植生の豊かさを再確認したい。
チョウセンノギク
イトラッキョウ
ダルマギク
ツワブキ