八方尾根   2000年6月3日、2000年7月23日、1994年7月26-27日
八方池山荘〜八方池〜下ノ樺〜上ノ樺〜下ノ樺〜八方池〜八方池山荘
 八方尾根はリフトを乗り継げば簡単に尾根まで到達できるため、アルプスの展望台として、また高山植物の観察地として賑わっている。ここは蛇紋岩で形成されているため特産種が多く興味深いところである。
 7月中下旬にはリフト乗り継ぎ場の黒菱平の湿原ではニッコキスゲが満開となる。白馬三山をバックに咲き誇っている。八方池山荘からは自然歩道が整備され歩きやすい。付近はヤナギランが群生し花期には鮮やかだ。登山道脇にはミヤマイワニガナ、イワシモツケ、イブキジャコウソウ、クモマミミナグサ、ミヤマムラサキ、キバナカワラマツバ、オニアザミなどが続き花が途切れることがない。葉が細く八方尾根の特産種のハッポウウスユキソウも咲いている。草原にはタテヤマウツボグサ、カライトソウ、タカネマツムシソウ、ハクサンシャジン、シモツケソウも顔を見せている。
 八方池付近の湿地にはワタスゲ、イワイチョウ、ヒメイワショウブ、ムシトリスミレ、ミヤマアズマギク、チングルマ、オオコメツツジなどが見られ、時期が早ければユキワリソウの可憐な姿にも出会えるだろう。特産種のハッポウタカネセンブリもこの辺りに多い。青紫色の斑点がある花弁を備えた花は美しい。またカライトソウとワレモコウの雑種ハッポウワレモコウも見つかる。その他八方の名を冠した植物はハッポウアザミ、ハッポウツガザクラなどが知られている。
 八方池より上に登ると樹林帯に入る。コキンレイカの黄色い花が鮮やかだ。開けたところではハクサンチドリ、アカモノ、オオサクラソウ、ウラジロヨウラクなどが咲き競う。所々でニッコウキスゲの群生も認められる。湿った場所にはミヤマツボスミレ、ミツバオウレンなどが見られ、シラネアオイの花もまだ残っている。上ノ樺あたりまでで引き返す。ここから先は本格的な高山帯の登りとなる。
ニッコウキスゲ群落と白馬三山
ハッポウウスユキソウ
ハッポウタカネセンブリ
ユキワリソウ