御在所岳、鎌ヶ岳 2003年4月29日、2004年5月23日 |
湯の山温泉→ロープウェイ山頂駅〜御在所岳山頂〜武平峠〜鎌ヶ岳山頂〜長石谷〜湯の山温泉 |
鈴鹿山系は南北に長く連なり、北部の藤原岳や御池岳と中南部の御在所岳や鎌ヶ岳などでは異なった植生を示している。北部の山は石灰岩からなり、春先にスプリングエフェメラルと呼ばれる花々が咲き競い華やかである。それに比べて中南部は花崗岩からなりやせ尾根にツツジ科の植物が豊富に認められる。なかでも御在所岳には花が多く観光客も多い。 4月中旬には中腹からアカヤシオが咲き始め5月には山頂まで達する。今回はロープウェイを利用し御在所岳山頂を経由して隣の鎌ヶ岳まで登ることにした。山頂駅を降りると霧の中に咲き出したアカヤシオが浮かび上がった。ハルリンドウ、マキノスミレ、フイリフモトスミレなどの花も咲いていた。武平峠への下り道にもアカヤシオは多く中腹ぐらいが満開であった。鎌ヶ岳への登りではバイカオウレンが花をつけていた。ここでもアカヤシオは多かった。長石谷を下るとイワウチワが林床に群生して薄いピンクの花はまことに美しかった。湿ったところにボタンネコノメソウ、ミツバコンロンソウなどもわずかに見られた。 5月に入るとシロヤシオが咲き出す。例年なら中旬から下旬が見ごろであるが、今年は23日で、すでに花はほとんど終わっていて惜しいことをした。山頂付近でかろうじて花を写すことができた。他にはベニドウダン、サラサドウダンの花がわずかに見られた。武平峠への下り道ではコアブラツツジが花を開き始めていた。開花はまだであったがハナヒリノキやコモノギクが岩場に認められた。林床にはオオイワカガミが山頂から山腹まで自生し、中腹以下ではすでに花を落としていた。天候も悪くこのときは武平峠から直接湯の山温泉に下った。途中タニウツギが見事に開花していた。山麓ではウツギ、コアジサイも咲き出していた。 この山塊周辺では他にコバノミツバツツジ、ウスギヨウラク、ホンシャクナゲなども加わり春から初夏にかけてツツジ科の花々の競演が繰り広げられる。 |