藤原岳        2009年3月21日
西藤原駅〜山口配水池〜木和田尾コース〜坂本谷(往復)
 坂本谷は藤原岳登山ルートのひとつとしてよく利用していた。石灰岩の谷を上るため山麓から花が多く出現して、まさに花の谷と呼ぶのに相応しいコースだった。ところが大規模な土石流が発生して登山禁止になったのはずいぶん前のことだ。他に登る道はないかと探した結果、木和田尾コースがあることを知り、今回挑戦することとした。
 西藤原駅で下車した後、山口配水池の登山口まで歩くことにした。早春の気配が漂うのどかな散策日和だった。路傍にはスミレ、ノジスミレ、コスミレ、シロバナツクシコスミレ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ホトケノザなどが咲き競っていた。林縁ではヤマアイ、ナツトウダイ、オニシバリコショウノキが花をつけていた。
 坂本谷の入り口まで来るとかつての面影はなく、巨大な砂防ダムが造られていた。ここから迂回して尾根を回り込み向こう側の登山口まで歩いたが予想外に時間がかった。
 木和田尾コースを登り始めるとミヤマカタバミ、スズシロソウ、ヤマネコノメソウなどが散見されたが、植林地が多いため花は少なかった。中腹まで来るとミスミソウが現れ始めた。白花ばかりだったが、よく見ると花茎が毛深いものが多かった。セツブンソウも見かけたがすでに残花のみだった。またスズカカンアオイの黒っぽい花も観察することができた。
 尾根を歩き続けて、坂本谷の分岐点から谷に下るとフクジュソウが見事に群落をつくり花盛りだった。しばらく花を堪能した後、付近を探索すると本日の目的だったマルミノウルシを発見した。子房が紅色に変色して実に鮮やかだった。葉や茎が紅色を帯びているのも特徴のひとつだった。
 坂本谷の上流部は土石流で埋まり歩くのが困難な場所もあった。かなり大規模に崩れてしまったようだ。通れないわけではないらしいが利用は控えたほうが無難だろう。以前のように植生が回復されることを祈りたい。
フクジュソウ
スズカカンアオイ
マルミノウルシ