大雪山       1995年7月22日-@
銀泉台〜コマクサ平〜赤岳〜小泉岳(〜白雲岳〜北海岳〜黒岳〜7合目→層雲峡)
 北海道の大雪山に登る機会を得て花の多いといわれる銀泉台から登頂するコースを選んだ。あまりに花が多く紹介しきれないためここでは前半の小泉岳までを記載する。
 登山口は標高1500mほどもあり、すでに花園に進入していた。ハクサンチドリの紅色は鮮やかで、中にはウズラバハクサンチドリも混じっていた。エゾヒメクワガタ、ノビネチドリ、エゾノマルバシモツケ、ゴセンタチバナも咲き、ウコンウツギの黄色い花はさわやかな気分にさせてくれた。登るにつれてウコンウツギは数が増え、イソツツジチシマヒョウタンボクハイオトギリの花もきれいに咲いていた。林床にはコガネイチゴの群生も確認できた。途中開けた場所では雪田周辺にコケモモ、エゾコザクラ、チングルマが見事な群落を形成していた。再び林内に入るとエゾイチゲやジンヨウキスミレも出現し撮影に忙しかった。ジンヨウキスミレは葉が腎臓形の独特のスミレだ。
 コマクサ平から赤岳の岩場ではチシマキンレイカ、エゾツツジなどが咲いていた。またこのあたりでは名前の通りコマクサの群生やエゾノツガザクラの群生も壮観であった。エゾノツガザクラはアオノツガザクラとの交雑が起こり様々な中間的な形態の個体が見受けられた。その他チシマツガザクラ、イワウメ、イワヒゲ、ジムカデなども競って花をつけていた。またキバナシャクナゲの群生も規模が大きく特筆すべきものであった。
 赤岳から小泉岳にかけては砂礫地にメアカンキンバイ、ヒメイワタデが咲き、エゾタカネスミレが群落をつくり、ホソバウルップソウが紫色の花をわずかに残していた。キバナシオガマ、クモマユキノシタ、コメバツガザクラ、エゾハハコヨモギも現れその種類の多さに圧倒された。写真をいくら写しても写し足りない気がした。小泉岳周辺は大雪山系の中でも最も植物の種類が豊富なところと言われていることがうなずけた。
ジンヨウキスミレ
チシマツガザクラ
キバナシャクナゲ
エゾノツガザクラ