茶臼山(愛知県) 2003年9月15日 |
茶臼山高原第4駐車場〜見晴台〜茶臼山山頂〜茶臼山高原第4駐車場 |
茶臼山(1415m)は愛知県の最高峰である。奥三河の最北で長野県との境に位置し、山頂直下まで高原道路が通じ一年中を通して人が訪れる観光地となっている。高原地帯は古くから牧場として開け、さらにキャンプ場やスキー場も整備され自然が残されているのは山頂付近だけであるがそれでも多くの植物が人々の目を楽しませてくれる。また山腹には愛知県の木であるハナノキの自生地もある。 9月中旬はこの地方特有のエンシュウツリフネソウとツリフネソウ、キツリフネの3種が競演する様子が観察できた。駐車場からは草原を進み樹林帯に達すると林縁にはさっそくエンシュウツリフネソウが現れた。薄いピンクの花は他のツリフネソウの仲間と比べて小さくかわいい花だ。ササに絡み付いて伸びているのはツルニンジンで釣鐘型の花を幾つもぶら下げていた。中をのぞくと模様が面白かった。黄色い花はよく見られるキンミズヒキだった。さらにゲンノショウコ、ハナタデもあちこちに見え隠れした。林内に入るとトチバニンジンの赤い実が目に入った。薄紫色のコウシンヤマハッカの花や地味ながらもガンクビソウの黄色い花も咲いていた。途中の開けた草地にはツルニガクサ、エゾシロネの花も見うけられた。 山頂付近はブナ林やウラジロモミ林がわずかに残されていた。カエデの仲間も認められたが、紅葉を楽しむのであれば津具村と稲武町の境界付近の面の木峠が好ましい。ブナの自然林とカエデの仲間が多く美しい紅葉が満喫できる。話は横道へ逸れたが山頂には展望台が設けられこのあたりにツリフネソウが群生し見事だった。良く見るとキツリフネもわずかに花をつけていた。他の鮮やかな花に負けないようにイヌトウバナが白い小さな花を一生懸命に咲かせていたのが脳裏に残った。下り道ではミヤマヤブタバコが咲いているのが確認できた。駐車場からわずか30分程度で山頂に到達できる楽な登りであった。 |