阿蘇山 1988年8月7日 |
草千里ヶ浜〜烏帽子岳〜地獄温泉 |
阿蘇山は観光地化されて草千里ヶ浜あたりには商業施設が立ち並び観光客も多い。広々とした草原には牛や馬が放牧されてのどかな風景が心を和ませてくれる。 草千里ヶ浜から放牧地を抜けて烏帽子岳方面に向かい、地獄温泉に下る登山道を歩いた。この道中で注意したいことがある。登山道が放牧地の中を貫いて走っているため、うっかりよそ見をして歩いていると、巨大な糞のかたまりに足を突っ込んでしまいそうになることだ。その牛糞の量は半端ではなく、バケツ一杯ほどもあろうかという糞の山が至る所に出現しているのだ。この時も注意していたものの、花の写真撮影に夢中になり片足が生乾きの糞の山に突入してしまったのだ。後悔先に立たずである。 さて草原地帯には様々な花が咲いていた。西日本で見られるサイヨウシャジン。東日本で見られるツリガネニンニンとどこが違うのかちょっと見ただけではよくわからないが、花柱が花冠から長く突き出るところが異なるとされている。 関東地方と九州で見られるホソバオグルマ。なぜか面白い隔離分布している。同じように関東地方と九州に隔離分布する種としてシムラニンジンを九重地方で見たことがある。 九州で見られるアソノコギリソウも観察できた。頭花の舌状花は大きくて目立つ花だった。 他にもナガバシュロソウ、シモツケ、カワラマツバ、ヒメノダケ、シシウド、クサフジ、クサレダマ、コウゾリナ、オカトラノオ、タカトウダイ、クサアジサイ、ツクシヤブウツギ、クルマバナ、カワラナデシコ、ゲンノショウコ、キンミズヒキ、ミズタマソウ、オミナエシ、ヤマホトトギスなど主に草原に見られる花達が主役だった。 初めての阿蘇山登山だったが、草原の広さと植生の豊かさに驚かされて、後に季節を変えて何度も訪れることになった。最近ではすっかり訪問する機会がなくなり寂しい思いもしている。いつか再訪することができればと思っている。 |