由布岳         1988年7月24日
由布岳登山口〜合野越〜マタエ〜東峰山頂〜マタエ〜合野越〜由布岳登山口
 由布岳に登頂したのは随分前のことだった。鹿児島に住んでいた頃に夜行バスのツアーで訪れた。せっかくの旅も天候がすぐれず雨の中での登山となり満足な写真撮影ができなかった。それでも特徴的な種がいくつか観察できたので紹介することにした。ただし1988年以前はネガフィルムを使用していたが、時間の経過とともに退色してしまった。かろうじて復元できた写真をここでは掲載した。
 国道沿いの登山口から登り始めると草原地帯では春から秋にかけて様々な植物が見られ、ちょうどこの時期にはヒゴタイが紫色の大きな球状の花序を付けて開花し始めたばかりだった。サイヨウシャジン、カワラナデシコ、ホソバノヤマハハコなどの花もちらほらと咲いていた。
 西峰は岩場の登りがあるが、東峰は比較的容易に山頂までたどり着けるとのことでツアーでは東峰を目指した。山頂付近の岩場などではイワキンバイ、シモツケ、シコクフウロが登場してきた。テリハアカショウマホタルブクロなどは矮化して、かなり草丈が低い状態で花をつけていた。由布岳の名前を冠した植物のユフダケオトギリも観察できた。葉が細く、草丈も低いようだった。
 樹木に目をやると、ベニバナニシキウツギのピンクの花が周囲を明るくしていた。ヤマアジサイの紫色の花も雨にぬれていっそう美しかった。
 時期を変えてまた訪問したいと思っているがなかなか実現できずにいる。たとえばエヒメアヤメ、キスミレ、サクラソウ、バイカイカリソウなど沢山の花々が出迎えてくれる春先に訪れてみたいものだ。加えて湯布院温泉に浸かり、秀麗な双耳峰の由布岳を眺めて疲れを癒すのも一興である。
ヒゴタイ
ユフダケオトギリ