屋久島      1988年8月26日〜29日
志戸子、永田岬、栗生海岸、安房海岸、(宮之浦岳、)尾之間、モッチョム岳など
 1988年8月26日から29日にかけて屋久島の夏の植物観察に出かけた。屋久島では珍しいぐらいの4日間とも晴れという天候にも恵まれた。28日の宮之浦岳登山は別途紹介することにして、それ以外の行程について簡単に説明を加えた。
 宮之浦港からはレンタカーで移動した。地図でいえば左回りに志戸子のガジュマル、クワズイモ、ウラジロフジウツギや永田岬、大川の滝などを観て回り栗生海岸へ到着した。ここでタヌキマメの花を始めて見た。花はタヌキの顔そっくりで面白かった。海岸の砂浜ではスナヅルやツキイゲといった変わった植物が生息していた。その他浜辺を彩るのはハマアズキ、オオハマグルマ、グンバイヒルガオなどでいずれも亜熱帯の植物だった。
 安房の春田浜でも海岸に生える様々な植物が自生していた。ハマナタマメ、イソマツ、ハマゴウは開花していたがテッポウユリ、イワタイゲキの花は終わっていた。林縁ではセンニンソウが木々に絡みついて成長していた。
 翌々日は宮之浦岳登山の休養も取らずにモッチョム岳へ登った。途中にある千尋滝は一枚岩の端を流れて雄大な景観を楽しませてくれた。尾根には巨樹の万代杉が聳え立っていた。モッチョム太郎もその先の森の中にあった。最終日は蛇ノ口滝遊歩道などを観察して帰った。この2日間で花を確認したのはヒナノシャクジョウ、シシンラン、ケイビラン、サツキ、ツルラン、ウスギムヨウラン、ミヤマウズラ、シュスランホソバハグマなど、株のみ確認したのはヘツカリンドウ、オサラン、ヤクシマシュスラン、ヤクシマアカシュスラン、シマシュスラン、カゴメラン、オオゴカヨウオウレンヒメツルアリドオシ、カンツワブキなど、シダ植物ではオオタニワタリ、ヘゴ、オニクラマゴケアミシダマツバランヘツカシダキクシノブツルホラゴケホソバオオカグマなどであった。屋久島はシダ植物の大国でもあった。
ツキイゲの群生する栗生海岸
ガジュマル
万代杉
シシンラン
ケイビラン