美ヶ原         2004年6月27日
扉峠〜茶臼山〜塩クレ場〜美しの塔〜山本小屋〜牛伏山〜美ヶ原高原美術館
 ひとくちに美ヶ原といっても、その範囲はかなり広大なものだ。今回のバスハイキングツアーは扉峠から茶臼山を越えて美ヶ原高原美術館に至るコースであった。
 扉峠でバスを降りるといきなりの急登を強いられた。樹林帯の中を汗だくになりながら登ると林縁にはタガソデソウ、オオヤマフスマ、サワギクなどが現れた。すこし開けた場所ではイワキンバイ、コウリンカ、ヤマハタザオ、ウスユキソウ、アマドコロ、アヤメが咲いていて心が和まされた。数は少なかったがスズランも咲いていた。樹木ではニシキウツギの花がその名の通りきれいに2色に彩られていた。
 茶臼山山頂付近の草原地帯にはレンゲツツジが群生し、テガタチドリ、キバナノヤマオダマキ、アヤメ、ハナニガナ、シロバナハナニガナ、ハクサンフウロ、ウスユキソウなどが草原を明るく染めていた。樹林帯の中は薄暗く花は少ないが、それでもマイヅルソウ、オオバノヨツバムグラ、ギンリョウソウが咲いているのが確認できた。茶臼山からの下り道でウラジロヨウラクを見つけた。花の色が白を基調としていたため、以前に見たピンクの花とは印象が異なり、別種かと目を疑った。
 高原地帯を進むと登山道は放牧地の中へと続いていた。砂礫地や草地ではコケモモ、チョウジコメツツジ、ネバリノギラン、キンポウゲ、シロスミレなどが咲き写真撮影に時間をとられた。付近をよく見るとグンバイヅルも花を付けていた。やっと本日の目的の種に遭遇することができた。その後雨が降り出し霧に煙る草原で突然牛の群れに出くわして驚いた。そういえばここは放牧地の中だったのだ。塩クレ場からは車道を歩き山本小屋まで達し、再び放牧地を横切り終点の美術館まで辿り着いた。道沿いにはミミナグサ、オオヤマフスマ、テガタチドリなどが咲き続いていた。
 美ヶ原の広大な山域にはまだ観察できていない植物がたくさん残っている。機会を見つけて再度訪問したい。
グンバイヅル
テガタチドリ
レンゲツツジ
チョウジコメツツジ
コケモモ