栂池自然園      2000年6月4日 2001年7月19日 1995年8月27日
栂池自然園入口〜ミズバショウ湿原〜ワタスゲ湿原〜浮島湿原〜展望湿原〜ワタスゲ湿原〜栂池自然園出口
 栂池自然園はミズゴケがマット状に広がる高層湿原で様々な高山植物が観察できる好適地である。6月に入ると雪融けを待ってミズバショウやリュウキンカが咲き出す。ダケカンバやオオシラビソ、コメツガ林が周囲に発達していてダケカンバの芽吹きも美しい。
 7月には豊かな湿原植物が咲き始める。ヒオウギアヤメの紫色は鮮やかだ。タテヤマリンドウ、ホソバノキソチドリ、オオカサスゲなども湿原に趣を添えている。ベニバナイチゴ、ミツバオウレン、ヒロハユキザサ、ツマトリソウも林縁に見え隠れする。ワタスゲ湿原より奥では名前のようにワタスゲやイワイチョウ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメ、クルマユリ、ハクサンコザクラなども咲き賑やかだ。山道沿いにはゴゼンタチバナ、タケシマラン、アカモノ、ミヤマツボスミレ、ホソバノキソチドリも姿を見せている。
 8月の湿原は依然として花が多い。まず目に付くのはオニシオガマで湿原に群落をつくりピンク色の大きな花が際立っている。湿原の中に大きな白い穂をなびかせているのはサラシナショウマだ。また足元に目をやると地味なクロバナロウゲイワショウブの花も咲いている。林縁にはオオバミゾホオズキ、モミジカラマツ、ミソガワソウ、ハクサンフウロ、エゾシオガマ、オヤマリンドウなどの花が次から次へと現れる。頭花の大きいアザミはダイニチアザミで白馬山系で主に見られる。すでに花は終わっているがオオバタケシマランの赤い実、オオヒョウタンボクのひょうたん型の赤い実、サンカヨウの青い実など色とりどりである。ちょうどこの年はオオシラビソが球果をたくさんつけていた。球果のできる数は年により変化があるようだ。
 自然園からロープウェイ駅までの道沿いでもカニコウモリ、ヤナギラン、ヨツバヒヨドリ、キオン、ヤマハハコなど咲き見飽きることがない。ロープウェイとゴンドラリフトを乗り継いで山麓まで一直線に下降する。
ヒオウギアヤメ
オニシオガマ
ツマトリソウ
ミズバショウ咲く残雪の栂池自然園