戸隠             2014年9月3日
戸隠森林植物園
 アザミの仲間は分類が難しい。ノアザミなど分布が広く一般的に見られる種もあれば、地域によって分布が限られて見かけることが少ない種も数多く存在する。最近になってようやく日本列島のアザミ類の全貌が明らかにされてきた。
 たとえば九州に広く分布するとされてきたツクシアザミはツクシアザミ、キリシマアザミ、クジュウアザミ、シライワアザミ、ウンゼンアザミに分けられた。またツクシアザミは四国にもあるとされてきたが、これはニセツクシアザミとされた。さらにニセツクシアザミは四国にしか見られないと思われていたが、奈良県で以前に採集されていたアザミがニセツクシアザミであることが判明した。
 このようにアザミの仲間は最近になって新種が発見されたりして非常に興味深い。今まで各地で撮影した名前が不明のアザミが数多くあり、これらを徐々に同定して整理していきたいと考えている。
 さて長野市の北部の戸隠にある自然公園として有名な戸隠森林公園にアザミの一種であるタチアザミを観察するために立ち寄ってみた。
 目的地には湿原が広がり、ところどころで背の高いタチアザミが群生してちょうで見頃だった。総苞片が斜上している特徴で見分けることができた。同じアザミ類ではナンブアザミ、ノリクラアザミが見られた。アザミ属ではないがタムラソウも咲き競っていた。
 同時期に観察できる花として期待していたものがある。それはオオシラヒゲソウだった。シラヒゲソウは既に撮影してきたが、オオシラヒゲソウは日本海側に分布して、初体面だった。その名前の通りシラヒゲソウよりもやや大きい感じがした。
 また初秋を彩る花として観察できたのは以下のものだった。ユウガギク、サラシナショウマ、キツリフネ、ツリフネソウ、ハンゴンソウ、アズマレイジンソウ、ツルニンジン。
オオシラヒゲソウ
湿地に群生するタチアザミ