天狗高原       2003年7月20日
天狗高原駐車場〜天狗の森〜黒滝山〜大引割・小引割〜中腹の巻き道〜天狗高原駐車場〜天狗高原
 四国カルストは日本三大カルストのひとつに数えられ、愛媛県と高知県の県境に東西25kmにわたって広がる標高1200〜1400mの高原である。天狗高原はその東端に位置し石灰岩地特有の植物が数多く生息している。
 まず今回は前日に高知県土佐山村に入りカノコユリを撮影した。自然状態で見る株は崖から垂れ下がり迫力十分であった。
 翌日は天狗高原駐車場から東に歩を進め大引割・小引割まで見学し引き返した。森の中に分け入ると早速花たちが出迎えてくれた。ヤマホタルブクロ、ウツボグサ、ハンカイソウ、アキカラマツ、シモツケ、ヤマアジサイなど鮮やかな花たちだった。苔むした石灰岩上にはタカネマンネングサがへばりつき黄色の花をちりばめていた。林床にはヨツバムグラエゾスズランも地味な花をつけていた。ツクシクサボタンはつぼみがほころびかかっていた。途中の草原ではヒメユリもわずかに咲いていた。黒滝山付近では葉の先が二つに裂ける形態のギンバイソウが白い花を開き始めていた。薄暗い林床に群生するが写真の株は日差しが適度に当たる場所にあった。大引割・小引割に向かう道はヒメシャラの純林を突き抜けた。これほどまとまっているのは珍しかった。大引割・小引割は2本の亀裂であリ、ここを見学して帰りは中腹の巻き道を戻った。途中で地面からニョキニョキと伸びたツチアケビの花が興味深かった。
 駐車場まで戻ると天狗高原を散策した。ポツポツと見える赤い花はヒメユリだった。鮮やかで目立っていたが、数はそれほど多くはなかった。草原に群生している黄色い花はハンカイソウで見事に広がっていた。これほどの群生には出会ったことが無かった。放牧されている牛が食べないため繁茂したという。草原にはカキラン、フクリンササユリ、ノアザミ、キンポウゲなどの花も咲いていた。カレンフェルトが点在する草原の花を観察して帰途に着いた。
ハンカイソウ群落
カノコユリ
ヒメユリ
フクリンササユリ