白馬岳        1999年8月19日〜20日
[猿倉〜白馬尻(泊)〜大雪渓〜頂上宿舎(泊)]〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜大出原〜鑓温泉(泊)〜猿倉
 白馬岳の大出原に咲くクルマユリの群生は見事で写真で紹介されることも多く、いつかは見てみたいと思っていた。今回の目的のひとつがその群生地を観察することだった。
 頂上宿舎を後にすると、時期的にちょうど良くクモマグサが咲いているのが確認できた。八重咲きのクモマグサも見つかった。ハクサンコザクラやケナシハクサンオオバコは花期を過ぎ、代わりにウサギギクが黄色い大きな花を誇示していた。杓子岳までの道すがらムカゴトラノオ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマホツツジ、トウヤクリンドウ、タカネシオガマ、ミヤマアワガエリコメススキなどが観察できた。ミヤマトリカブトとハクサンフロの咲く稜線のお花畑からの白馬岳山頂の眺望は素晴らしかった。杓子岳の砂礫地にはコマクサの花がまだ残っていた。
 鑓ヶ岳ではミヤマアケボノソウ、ミヤマウイキョウ、イブキジャコウソウ、ホソバツメクサ、リンネソウ、ミネウスユキソウ、シロウマリンドウ、トウヤクリンドウなどが開花して賑やかだった。
 大出原に向かう途中に雪解けの遅いところがありハクサンコザクラ、ミヤマキンバイが花盛りだった。さらに下りハナニガナの群生地を過ぎるといよいよ目的地に到着した。無数のクルマユリが群落をつくり写真と違わぬ光景が目の前に展開されたと思った次の瞬間、すべて霧に覆われて隠れてしまった。以後霧が晴れることはなく、結局群生写真は撮れなかった。鑓温泉の手前の岩場にはカライトソウ、ミヤマダイモンジソウが見られた。
 鑓温泉から下るとここにも小規模ながらクルマユリの群生地があり撮影した。ウサギギク、ヨツバシオガマ、イワオトギリ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマクワガタ、ヤマルリトラノオトガクシコゴメグサチョウジギク、タテヤマウツボグサ、ミヤマタニタデ、コウメバチソウ、イワショウブ、キンコウカなどが猿倉までに見られた花だった。
 豊富な白馬岳の植物を観察できた旅だったが、大出原のクルマユリの群生が撮影できなかったのは残念だった。
稜線のお花畑から白馬岳遠望
ミヤマクワガタ
クモマグサ
クルマユリ