霊仙山  1980年3月24日,2006年4月24日,1995年5月7日,1995年5月28日
上丹生〜漆ヶ滝〜霊仙山山頂〜汗拭峠〜榑ヶ畑〜醒ヶ井養鱒場
 霊仙山は鈴鹿山系の北部に位置し、関ヶ原を挟んで伊吹山と対峙している広大な山域をもった山である。石灰岩で構成され、春の花がいっせいに咲き乱れる光景は筆舌に尽くしがたいものがある。同じく石灰岩でできた伊吹山や藤原岳との共通種が数多く見られることも特徴である。
 上丹生から丹生川に沿った登山道は石灰岩がゴロゴロした川を遡る事になる。岩の隙間にはクモノスシダ、ツルデンダなど石灰岩を好むシダが認められる。水辺にはシャガ、コンロンソウ、ミヤマキケマン、アカヒダボタン、ヤマネコノメソウ、ホクリクネコノメ、タキミチャルメルソウ、ワサビ、ヒメレンゲなどが次々と出現し撮影に忙しい。他にもオオタチツボスミレ、タチツボスミレ、コスミレ、ヤマルリソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、アズマイチゲ、トウゴクサバノオ、ミヤマハコベ、ナツトウダイ、ハクサンハタザオ、ヒメフウロ、ミヤマカタバミ、ハシリドコロ、ヤマアイ、スズシロソウ、カテンソウ、オニシバリなど数え上げたら限が無いくらいだ。中でもトウゴクサバノオの花は直径1cmほどでかわいいものだ。
 漆ヶ滝まで来ると登りがきつくなり、やがて稜線に達すると頂上は真近だ。付近には石灰岩地形のカレンフェルトが観察できる。見晴らしが良い時には伊吹山が真正面に迫ってくる。ササをかき分けてしばらく進むと頂上へ出る。一休みすると今度は汗拭き峠を目指す。途中お虎ヶ池がありショウジョウバカマがアクセントをつけている。峠からは養鱒場まで一気に下る。
 いままで挙げた植物以外にもフクジュソウ、ミスミソウ、イブキタンポポ、クサボケ、サツキヒナノウスツボ、イブキシモツケ、ミツバウツギ、コクサギ、ヤブデマリ、ズミ、ミヤマヨメナなどが目に留まる。ヤマシャクヤクの白い花は清楚な貴婦人のようで魅了される。バイケイソウの芽出しもなかなか瑞々しい。
 時期を変えれば異なった花たちが迎えてくれる植生が豊かな山である。

カレンフェルト
フクジュソウ
イチリンソウ
アカヒダボタン