ポロト湖     1996年5月18日、1994年6月3日
JR白老駅〜ポロトコタン入口〜望岳台分岐〜望岳台〜キャンプ場〜望岳台分岐〜ポロトコタン出口〜JR白老駅
 北海道の白老町にはアイヌ民族博物館としてポロトコタンがある。かつてアイヌ民族の集落があったところでポロト湖の沿岸に位置している。ちなみにアイヌ語でポロは大きい、トは湖、コタンは村という意味だそうだ。ポロト湖の周辺は貴重な自然が残されており、春を迎えると様々な花たちが競い合って咲き乱れる。
 JR白老駅から歩いてもそれほどかからない距離にポロト湖があり、沿岸に遊歩道が設けられていて散策を楽しむことができる。まずこの地を代表する花といえばシラオイエンレイソウがあげられる。当地で発見された種で、シロバナエンレイソウとオオバナノエンレイソウの雑種である。所々で群生が見られる。
 また山道に入るとオオバキスミレの変種であるフチゲオオバキスミレが分布している。北海道南部から東北地方の太平洋側に分布する種である。その他に見られるスミレの仲間はサクラスミレ、オオタチツボスミレ、タチツボスミレ、ツボスミレ、ヒナスミレ、フイリミヤマスミレなど数多い。
 湿った場所にはミズバショウがあちらこちらで群生し春を告げている。ネコノメソウの群生やチシマネコノメソウとツルネコノメソウが混生しているのも観察できる。林縁にはエゾエンゴサク、フッキソウ、ルイヨウショウマ、アズマイチゲヒメイチゲコウライテンナンショウコケイランなどが咲き出して花盛りだ。
 JR白老駅から海岸方面に向かうと砂浜が広がり雑多な植物と対面できる。海岸に出るまでにはキジムシロ、カキドオシなど。砂浜では見事なハマニンニクの群生が見られる。ハマハタザオ、イソスミレ、ヒメスイバなども見にすることができる。
 花たち以外にも目にもまばゆい新緑が美しく、啄木鳥たちのドラミングが響き渡るポロト湖周辺は気持ちのよい散策路である。
シラオイエンレイソウ
ミズバショウ
エゾエンゴサク
サクラスミレ
フチゲオオバキスミレ