忍野        1997年9月21日
忍野八海〜集落入口〜新畑〜花の都公園〜山中湖
 忍野村は富士山の北麓に位置し、湧水が豊富で忍野八海と呼ばれる泉が点在している。湧池、お釜池、出口池など八つの池から成り、水質、景観に優れ国の天然記念物に指定されている。忍野八海を巡り、山中湖まで歩くツアーに参加したことがあるのでその時に見られた植物を紹介した。
 忍野村は観光地化されて訪れる人も多くなってはいるがまだ落ち着いた雰囲気のあるところだった。清流のそばではその名の通りミゾソバが群生して花盛りだった。湿った場所ではイヌタデ、オオイヌタデなどタデ科の花が勢い良く咲き誇り、道端にはメヒシバ、エノコログサ、スカシタゴボウが至る所で溢れていた。
 林縁には鮮やかなツリフネソウやクルマバナの紅紫色の花が目立っていた。またビールに用いられるホップに似たカラハナソウが大きな松かさ状の花を多数ぶら下げていたのが興味深かった。キクの仲間も散見され、ノコンギク、ユウガギク、アキノキリノソウ、ヤクシソウ、アズマヤマザミなど色とりどりで賑やかであった。その他にはオオバクサフジナンテンハギ、ナンベンハコベ、ヒキオコシ、ヤマトリカブト、ツルヨシなど多彩な植物が花を添えていた。
 樹木で目に付いたのは派手な赤い実を吊り下げたオオツリバナや紫黒色の実をつけたミズキだった。また山中湖に出る途中の沖新畑には国指定の天然記念物に指定されているハリモミの純林があったが、時間がとれず見に行くことができなかった。
 山中湖に到着する手前でシデシャジンと艶やかな花をつけたフシグロセンノウに出会った。森の都公園では広大な敷地に数多くの季節の花々が栽培され楽しむことができた。
 ところで忍野といえば富士山の景観で有名だが、あいにく天候が優れずその姿を見ることができなかったのは心残りだった。
ミゾソバの群生
ナンバンハコベ
フシグロセンノウ
オオツリバナの果実