御嶽山     1979年7月4-5日、1993年8月23日、1996年10月5日
濁河温泉〜飛騨頂上〜五ノ池〜三ノ池〜賽の河原〜二ノ池〜剣ヶ峰〜田ノ原自然公園など
 御嶽山は決して危険な山ではない。いやなかったはずだ。にもかかわらず犠牲者が出てしまうようなことになろうとは夢にも思わなかった。犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
 御嶽山には学生時代に初めて登った。飛騨側から登り、長野県側の田ノ原へ下るコースを踏破したものだった。この時にはまだあまり植物に関心を抱いていたとは言えず、最も印象に残っているのは景色が良かったことだ。飛騨側から尾根に出ると独立峰であるがゆえに、360度の展望がほしいままにできたのだ。特に記憶に深く焼き付けられているのは三ノ池からの眺望が素晴らしかったことだ。左の写真で示したように残雪を抱いた深青緑色の水を湛えた三ノ池から長野県側を見下ろすと、木曽川に刻まれた木曽谷と対面に中央アルプスがどっしりと構え、その背後に見え隠れする南アルプスまでもが手に取るように遠望できる優れた景観で楽しませてくれた。
 高山植物はハクサンイチゲ、コメバツガザクラ、ミヤマクロウスゴ、イワウメ、チングルマ、コケモモ、コイワカガミなど一般的に目にすることがでるものは観察できたはずだが、あまり印象に残っていない。山麓で見かけたオオバミゾホオズキやコケの仲間であるヒカリゴケなどは記憶に残っている。むしろユーモラスな仕草がかわいいホシガラス、山小屋の周りでよく見かけるイワヒバリ、上空を飛び回るハリオアマツバメなどの鳥類が記憶に鮮明に刻まれている。
 田ノ原自然公園で 植物観察した時にはこの山地で見られるキソアザミが咲いていて撮影した。
 秋の紅葉も素晴らしく、ロープウェイを利用して8合目まで往復したこともあった。ナナカマドの紅葉、ダケカンバの黄葉などが色とりどりの姿で風景を演出して見事なものだった。
三ノ池からの眺望
キソアザミ
ナナカマドの紅葉とダケカンバの黄葉