沖縄島     1998年2月19日、1997年3月27日
万座毛海岸など
 南に行くにつれてサンゴ礁の海は青さを増しカラフルな熱帯魚が踊りまくる琉球列島の島々は東洋のガラパゴスと称されるほど独特の生物相(ビオタ)が見られる。今回は沖縄島の植物相(フローラ)の一端を紹介した。
 沖縄島は南北に長く伸び南部は開発が進み自然が残されているところは少ないが中部から北部にかけては手付かずの自然が多く残されている。ちょうど中部に位置する万座毛付近へ2月から3月に訪れることができた。万座毛では景観に優れた隆起サンゴ礁の海岸が待っていた。景色に見とれてばかりいられないので岩場に目をやると見慣れぬ植物がへばりついていた。イソフサギキバナイソフサギだった。地味で目立たないが小さな花を咲かせていた。以前に鹿児島県の長崎鼻や屋久島でも確認しているが変わった植物である。リュウキュウコスミレは花盛りであった。モンパノキの花も開き始めていた。海岸の崖っぷちではシマアザミが白い大きな頭花をつけていた。背丈は低くしっかりしがみついているようだった。アザミの仲間では白花は珍しかった。本島では白花がほとんどで紅紫色花は稀のようだ。イソノギクは群生し年中咲いている様子であった。もうひとつ変わった植物といえばサダソウがサンゴ礁の岩場にくっついていた。コショウ科の多肉な植物で花は小さくて目にとまらないぐらいだった。海岸林では背の高いオオハマボウの黄色く大きな花を見上げ、足元ではキキョウランの淡紫色の花に見惚れた。
 これらの花以外に海岸とその周辺で目についたのはハマボッス、ホソバワダン、ミツバノコマツナギ、ハマサルトリイバラシマハママツナ、テンノウメ、ルリハコベ、ギンネムオオバナセンダングサなどであった。花は見られなかったものの海岸にはハマオモト、クサトベラ、ソテツ、クサスギカズラ、アダンも自生していた。さらにトウワタフサナリツルナスビ、アカバナユウゲショウなどの逸脱植物の野生化したものが多く見られたのも特徴であった。
シマアザミ
モンパノキ
リュウキュウコスミレ
キキョウラン