乗鞍     1979年7月31日、2016年8月1日
乗鞍岳(畳平〜お花畑〜肩の小屋〜剣ヶ峰〜高天ヶ原など)
 37年ぶりに乗鞍岳に登頂した。最初に挑戦した時は、まだ学生時代だった。その頃は高山線に夜行列車が走っており、高山駅でバスに乗り継ぐと畳平に到着した後、御来光が拝めるようになっていた。その後、剣ヶ峰まで登りやや下って高天ヶ原でコマクサ群落の背景に槍、穂高連峰が聳えている写真を撮影できた。ライチョウの親子にも遭遇して岩場で凛とした雄の姿を撮影できた。
 天候に恵まれ、お花畑の高山植物と北アルプスの雄大な風景を満喫した。あの頃が懐かしく思い出される。
 さて37年後はどのように変わっているだろうか、興味津々で見回ることにした。まず目についたのがコマクサが随所に見られたことである。小規模な群生地も観察できた。以前の記憶では、コマクサの群生を撮影しにわざわざ高天ヶ原まで行ったのに。また今回はミヤマクロユリが花を散らせていたが、その株数は増えているようだった。他にも高山植物がいっそう増加して見られたような気がした。これはひとえに保護活動が成果を上げていることの証であろう。喜ばしい限りである。
 そのほかに観察できた植物は、ヨツバシオガマ、シロバナヨツバシオガマ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、イワギキョウ、チシマギキョウ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、シロウマスゲ、イワスゲ、キンスゲ、ミヤマゼンコ、ハクサンボウフウ、ミヤマイ、クモマスズメノヒエ、コメススキ、シナノオトギリ、コウメバチソウ、イワツメクサ、オンタデ、ミヤマハタザオ、ヒメアカバナ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマオトコヨモギ、タカネナナカマドハイマツミヤマヘビノネゴザなど多種彩々なものだった。
 乗鞍岳は2702mの畳平までバスやタクシーで乗り入れることができるため、苦労せずに高山植物が観察できるところである。付近のお花畑を散策するだけでも、代表的な高山植物を目にすることができる素晴らしいところである。
コマクサ群生地より槍、穂高連峰を望む
ライチョウの雄
イワギキョウ
お花畑(ヨツバシオガマ、ウサギギクなど)